先日、とある女性らと話していて、自然毒、農薬、添加物、遺伝子組み換え作物があったとして、生物学をある程度勉強した人だったら、自然毒 >>> 添加物 > 農薬 ≧ 遺伝子組み換えの順で怖いと感じると思いますよ。
自然毒は下手すると死ねますもん。
と返答した。
作物で有名な自然毒といえば、ジャガイモのソラニンとか、モロヘイヤのタネとかかな?
モロヘイヤのタネの毒は原始的な兵器だからね。
添加物は洗い流すことが出来ず、実際に牛乳に入っていた添加物が人体に一生続く影響を与えて、海外では使用禁止になったものとかあるからね。
その点、農薬は洗い流すことが出来たり、しばらく置いていれば効果は弱くなるからね。
これらの話の後、それだったら、適切に農薬で管理されていればカビ等の自然毒は制御できるし、有機無農薬の作物の方がリスクが大きいってことはない?
と質問があった。
実際のところ、ここらへんまでくると良くわからない。
好きで食事が楽しくなるようなものを食べれば良いじゃない。
ストレス溜まるのが、人生にとって一番の損だよ。
さてさて、この手の話題が出てくると必ずといって出てくるのが、有機無農薬が本当に美味しいのですか?と
農薬を使っている方でも美味しいものがあるじゃないですか!と
野菜の美味しさというのは一概に言えないけれど、一番率直に言うと、しっかりと光合成できているものは美味しいとする。
例えば、牛糞堆肥で土作りをこだわっているオーガニックファーマがいたとする。
土壌が塩類集積になって、作物の水ストレスが高くなったとしよう。
硝酸態窒素は貪欲に吸えるけど、主要微量共に大事なミネラルの吸収量は落ちる。
光合成を行う葉緑素はカリウム、マグネシウムや鉄と言ったミネラルの吸収が不可欠で、それらの吸収が劣るということは、ここで育てた野菜は確実に美味しくないことになる。
オーガニックで植物性有機物さえ入れていれば良いんだという農法がありますが、それだけに尖っていると、いずれ訪れる末路として、土壌鉱物の酸化により、カリウムの慢性的な欠乏、鉄の急激な酸化と微量要素欠乏が多発する。
カリウムの慢性的な欠乏は周辺のミネラルの吸収量も急激に落ちるため、美味しい野菜はしっかりとした光合成によって成り立つという定義を満たさず、オーガニックでも野菜は美味しくないとなる
実際に、経験上、オーガニックの畑では、
果実内発芽が発生しやすい。
果実内発芽した果実は美味しくない。
炭素循環型農法では、有効な鉄不足が発生しやすいのでは?
と過度な炭素循環型農法の環境を(偶然)用意して、そこにクエン酸に溶かした鉄を加えてみるという猛者がいて、
高炭素状態で黄化してしまった葉物に
釘からクエン酸を使って抽出した鉄を加えたら軽減された。
ということがあった。
鉄は病気に対する抵抗性や硝酸態窒素を還元してアミノ酸にする過程で必要となる大事な要素。
前者の抵抗性がなくなった作物はイメージ的に美味しくなさそうだし、そもそも様々な菌に負けているので安全な作物ではない。
後者の硝酸態窒素の還元は光合成を行う葉緑素の合成にとって必要不可欠で、過度な炭素循環型農法の末路に訪れる慢性的な鉄の酸化環境では、作物は弱体化して光合成もしっかりと行われなくなるので、オーガニック=美味しいの条件を満たさない。
これでオーガニックは必ず美味しいという説は否定できたわけだ。
あとは、今回のタイトルにある農薬を使用している方の野菜も美味しいだけど、たとえ、農薬を使っていようが、オーガニックで品質を落とす様な土作りを改善するだけで、
今回挙げた様な大半のオーガニックよりは美味しい野菜に育つ。
※写真はイメージ
作物も植物で生物学の範疇なので、○○農法で品質向上なんて甘い話はない。
生物学のカオス感を舐めるなよ!
要は、美味しい野菜を育てられる方は農薬だろうが無農薬だろうが美味しくなるだろうし、美味しい野菜を育てられない方は農薬と使おうが使うまいがどちらも美味しくないということ。
これを書きたかった。
余談だけど、農薬を使用しつつ美味しい野菜を育てている人の畑って、そもそも農薬の使用量が少なくても成り立ってるよね。
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