改めて同型置換について見るまでの記事に引き続き、造岩鉱物についてを見ることにする。
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今回は長石について見る。
※上の写真は長石グループの一種の微斜長石になる
最初に長石についての定義をWikipediaから引用すると
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長石は、複数の鉱物種を総称する鉱物グループであり、アルカリ金属およびアルカリ土類金属などのアルミノケイ酸塩を主成分とする三次元構造のテクトケイ酸塩の一種である。
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と記載されている。
はじめて出てきた用語として、アルカリ金属、アルカリ土類金属とテクトケイ酸といったところだろうか。
アルカリ金属は元素周期表におけるイオン化した時に一価の陽イオンになるものを指すので、栽培に関係するものであったら、H+、Na+とK+といったところだろうか。
アルカリ土類金属はイオン化した時に二価の陽イオンになるものだから、Mg2+とCa2+になる。
長石グループはケイ酸で形成された結晶構造の隙間にナトリウム(Na)、K(カリウム)やCa(カルシウム)等が配置される鉱物ということになる。
続いて、テクトケイ酸だけれども、造岩鉱物の角閃石を見る等の記事で、
※図:3つの石で地球がわかる 岩石がひもとくこの星のなりたち|講談社BOOK倶楽部 128ページより引用
や
※図:3つの石で地球がわかる 岩石がひもとくこの星のなりたち|講談社BOOK倶楽部 135ページより引用
一枚目の図の4個の丸で構成されたものを、
Si(OH)4のケイ酸だとして、各々のケイ酸は重合して重合ケイ酸になる。
重合の仕方によって、隙間に配置できる金属や風化耐性が決まり、名称も異なる。
今まで見てきた重合方法は上のケイ素四面体のうち、2〜3頂点が隣合うケイ酸と重合していたが、4頂点全てが重合し合った重合ケイ酸をテクトケイ酸(3次元網目状)と呼ぶ。
注意だけれども、すべてのケイ酸が4頂点全てが重合しているわけではなく、ところどころ重合度が低い箇所があり、その隙間にアルカリ金属等が配置される。
上記の内容で100%重合したテクトケイ酸をSiO2と表記し、
これが石英となる。
長石は栽培の本でよく見かける鉱物になるので、丁寧に見ていきたいところだけれども、長くなりそうなので、今回はここまでにしておく。
余談だけれども、冒頭の写真の微斜長石の化学組成はKAlSi3O8になっている。