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造岩鉱物の黒雲母を見る1の記事で2:1型の結晶構造を持つ一次鉱物の黒雲母 K(Mg,Fe)3AlSi3O10(OH,F)2 について見た。

黒雲母についての理解を深めれば、肥料を考える上で重要な粘土鉱物の理解を深めることが出来るようになるので、もう少し黒雲母について見てみることにする。


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※図:3つの石で地球がわかる 岩石がひもとくこの星のなりたち|講談社BOOK倶楽部 138ページより引用


黒雲母の結晶構造におけるケイ酸の重合は平面的網状型になっていて、ケイ酸の隙間にAl、OHやKが入るようになっている。


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同型置換で粘土鉱物の持つ保肥力を高める


おそらくだけれども、AlとOHがAl八面体に該当して、(表現が正しいか自信はないが)Al八面体は層状になり、Si四面体の層と重なり合い、2:1型の結晶構造となっているはずだ。


この話が正しいとするならば、Kはどこに配置されているのだろうか?




黒雲母について検索をしていたら、個人のサイトではあるが、黒雲母 Biotite 鉱物たちの庭というページにわかりやすい記載があった。

K(カリウム)は層状となったケイ酸の間に挟まるように配置しているということで、


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※図:粘土鉱物の構造と化学 - 化学と教育 68 巻 9 号(2020 年)356ページより引用


上の2:1型粘土鉱物の図から水分子の箇所がなくなり、Mn+イオンの箇所がKになっている図を想像すれば良さそうだ。

であれば、黒雲母と2:1型粘土鉱物の違いが見えてきて、Mn+イオンの上下になる水分子が2:1型粘土鉱物の特徴と言えるようになる。


では、Mn+の上下の水分子はどのような条件で入るのだろう?


粘土鉱物基礎講座Ⅰ 粘土の構造と化学組成 - 粘土科学 第40巻 第2号 100-111の内容に改めて挑戦してみることにしよう。