造岩鉱物の黒雲母を見る2の記事以降、黒雲母について調べているが、気になる内容を見かけた。
その内容というのが、化学同人から出版されているネイチャーガイド・シリーズ 手のひらに広がる岩石・鉱物の世界 岩石と鉱物の197ページの黒雲母のページに、
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かつて黒雲母は単独の鉱物と考えられていたが、現在はマグネシウムに富む金雲母と鉄に富む鉄雲母のつくる固溶体の系列名とされる
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と記載されていた。
この内容というのが、後に触れる
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蛭石ことバーミキュライトの理解に繋がるので、金雲母と鉄雲母はしっかりと見ておきたい。
ちなみに固溶体(こようたい)というのは、2種類以上の元素(金属の場合も非金属の場合もある)が互いに溶け合い、全体が均一の固相となっているものをいうそうだ。
Didier Descouens - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, リンクによる
金雲母は化学組成がKMg3AlSi3O10(OH)2のフィロケイ酸の鉱物となっている。
一方、鉄雲母の化学組成はKFe32+AlSi3O10(OH,F)2になっている。
古い内容ではあるが、塚本斉等 風化粘土の生成と変遷 - 応用地質29巻 3号 1988の30ページに各鉱物の風化系列の記載があり、黒雲母は
黒雲母 → 緑泥石化した黒雲母 → 緑泥石 / バーミキュライト混合層鉱物 → バーミキュライト(以下省略)
の順に変成し、この時の黒雲母が金雲母に当たる。
なので、金雲母の風化について見れば粘土鉱物の理解が深まるということに繋がる。
話が長くなるので、今回はここまでにしておく。