造岩鉱物の黒雲母を見る3の記事に引き続き、今回も黒雲母について見ていくことにする。

今回見ていく内容は黒雲母の風化だ。


前回の記事で黒雲母が風化して粘土鉱物になる場合、緑泥石化した後、バーミキュライトになるという経路があるそうだ。


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※図:上原誠一郎 粘土鉱物基礎講座Ⅰ 粘土の構造と化学組成 - 粘土科学 第40巻 第2号 100-111 104ページより引用


であれば、右側に記載されている黒雲母から右に向かって変成していくことを意味し、


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※図:上原誠一郎 粘土鉱物基礎講座Ⅰ 粘土の構造と化学組成 - 粘土科学 第40巻 第2号 100-111 104ページを改変


赤枠で囲った箇所を注目していけば良いことになる。

左の黒雲母の中心にある⊕はK(カリウム)を意味していて、緑泥石の中心にある長方形はMg八面体を意味している。


であれば、黒雲母に含まれる金雲母の化学組成を参考にすれば考えやすくなるかもしれない。




PhlogopiteMonteSommaIII

Didier Descouens - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, リンクによる


金雲母の化学組成はKMg3AlSi3O10(OH)2のフィロケイ酸の鉱物となる。


金雲母が風化すると、Kが溶脱し、水和した他の陽イオンが取り込まれるらしい。

金雲母層間での Al 水酸化物層の形成によるくさび型空間の形成 - 第63回粘土科学討論会講演要旨集


Si四面体の層(上の図で台形の箇所)の間の K が溶脱することで、隙間が生じ、


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このようにMgを中心にして、周りを取り囲むように水が配置する。

水はO側がδ-でH側がδ+で極性を持つ為、Si四面体の間にちょうど入り込む。

タンパクの三次構造の際の結合:水素結合1


ただ、この内容であると、上の図と照らし合わせて、Mg八面体ではなく、⊕の周りに水が配置されているバーミキュライトになり、緑泥石を飛ばした形になる。


栽培にとって、バーミキュライト以上に緑泥石が大事なので、緑泥石化の理解を深めるために黒雲母の風化の内容を一つ戻したいところだ。

青い石が出る園地は良いミカンが出来るという言い伝え