事件です。
— Kyoto-nouhan (@KyotoNouhan) 2018年1月11日
葱のハウス栽培にて。京丹後より酸素供給剤を仕込んだ畝とそうでない畝との違いがヤバいよ!と写真が送られてきました。
初期はあまり変わらず20cm位から差が出たと。その時期がどんな条件だったか、追及します!
#京都農販 #京丹後 #九条葱 pic.twitter.com/V3zuxU1Jw9
昨日、Twitterを開いたら、京都農販(@KyotoNouhan)のアカウントで上記のポストがあった。
Twitterだと投稿が埋もれてしまい勿体無いので、当ブログで投稿内容を紹介しました。
話題に挙がっている酸素供給剤というのは、酸素供給剤で根張りを良くしたいで紹介した過酸化石灰で、過酸化石灰を水に溶かすと
CaO2 + 2H2O → Ca(OH)2 + H2O2
という反応から消石灰と過酸化水素が発生し、
植物の持つ解毒作用であるカタラーゼ反応を利用して、
2H2O2 → O2 + 2H2O
過酸化水素から酸素を取り出して、根が酸素を吸収する。
カタラーゼ作用を持たない一部の微生物が過酸化水素によって殺菌され、過酸化水素が発生した際に同時に発生した消石灰により土壌のpHが上昇する。
これは酸素を供給すると同時に、病原菌が活動しにくい環境を生み出すことにもなるため、植物が活き活きとしている環境で更に病気にもなりにくくなる。
更に栽培中にpHが上昇することによって仕込みの肥料として与えていた各種ミネラルの吸収の効率も高まる。
※栽培中は植物の生理的な要因や肥料の作用によって土壌のpHが下がる。
酸素供給剤は土壌中で溶けにくいため、栽培期間中の酸素が不足するような大雨の時に徐々に効果を発揮し、大雨のような病気になりやすい時期の予防としても作用する。
酸素供給剤は見ての通り石灰であるため、仕込みの肥料として使用する場合は土壌の石灰の量に注意すること。
例えば、pH調整のために石灰を利用する場合は、石灰の代わりに炭酸苦土を使用するとか。
酸素供給剤は作用が明確で強力な一手になるので、困りそうな時には上記の内容に注意しながら仕込むと何かと助けてくれるはず。
特にマルチを利用した栽培の時とか特に。
(写真:ネオカルオキソ - 株式会社京都農販)
関連記事