野菜の美味しさとは何だろう?ということを主題として、人が美味しさを感じる要素や仕組みを調べている。
肥料で食味を向上させることが出来るのであれば、野菜をより多く食べる人が増え、野菜の摂取からより健康になる人が増えるのではないかと
土地や栽培で味覚が向上している作物を思い浮かべてみたら、
山形県で栽培されているダイズ(枝豆)のだだちゃ豆が思い浮かんだ。
だだちゃ豆で有名な話といえば、
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栽培する土地が合わないと風味が落ちてしまうことから、生産地が限られている。収穫期も短く、保存も困難だったため、長らく「幻の豆」と呼ばれた。
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ということがある。
風味が向上する要因は土質・地質なのか?それとも気候なのか?
おそらくここで使用されている肥料を他の地域で栽培したという栽培試験はしているはずで、一般的な肥料で栽培されていることが大半だろうから特殊な肥料ではないと思う。
新潟あたりで砂壌土が目立っていた記憶があるので、その延長で砂壌土の排水性の高さが一役買っている気がする。
だだちゃ豆だけれども、他の枝豆と何が違うの?ということでだだちゃ豆データブック|だだちゃ豆 おいしい健康宣言! JA鶴岡でまとめられていた。
だだちゃ豆の目立った成分は主に
・オルニチン(シジミに多く含まれる旨味を呈するアミノ酸)
・GABA
・アラニン(甘味を呈するアミノ酸)
がどれも他の枝豆と比較して最低で1.5倍以上含まれていたそうだ。
先にGABAについて触れておくと、グルタミン酸を前駆体とするGABAの記事で
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GABA(γ-アミノ酪酸)は細胞内が酸性に傾いた時にグルタミン酸がプロトン(H+ )と取り込み、細胞内のpHを調節する作用の他、GABAを元に何らかの反応を進める時に関与すると記載した。
人体においてGABAは神経細胞を抑制し、リラックスの方に働く物質である。
GABAが人の舌にどのように影響を与えるのか?を調べてみたら、味蕾細胞内にGABA受容体(クロライドイオンチャンネル)というものがあり、塩味を呈する可能性があるという報告があった。
植野 洋志 - 味覚情報伝達に及ぼす酵素の働きと塩味増強評価システムの開発
塩味と言えば、野菜の美味しさとは何だろう?味蕾のことの記事で、
スイカに塩を少しかけると、甘味や旨味の閾値が下がり、少量の塩味によって甘味や旨味を多く感じられるようになるという内容を記載したが、GABAでも同様の現象を期待できる。
更にGABAはグルタミン酸を前駆体として合成され、おそらくだだちゃ豆にもそこそこのグルタミン酸はあるはずで、グルタミン酸自体が旨味と酸味を呈するアミノ酸で、グルタミン酸の旨味もGABAによって味覚の増強をされるということがあれば更に興味深い。
GABAが塩味を呈するのであれば、調味料としての食塩の量を減らせるので、より健康的な調理が可能となる。
だだちゃ豆を見ることによって、野菜の美味しさというものが少しクリアになってきた。
アミノ酸肥料で食味が向上する可能性も今回の内容で高まった。
何故ならば、健康的に育っている作物であれば、自身の恒常性を保つ為にGABAがあるわけで、作物を健康な状態に保つ為に肥料があるから。
そして、「野菜の美味しさ = 食べると健康になる」の予想も現実的を帯びてきた。
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