作物と鉄まとめで鉄過剰症になるとマンガン欠乏が発生しやすいと記載した。
マンガンとは一体何で、
欠乏すると何が問題なのか?
これを知らなければ、
鉄過剰症が深刻であるのか?判断できない。
というわけで調べてみる。
マンガンMnは鉄と同じように、
生体内でMn2+ → Mn3+の様に変化し、生体内での酸化還元に関わっている。
細かい説明はおいといて、
朝倉書店 植物栄養・肥料の辞典 102ページのマンガンの項目を読むと、
鉄よりも配位力(タンパクに包まれた構造の安定度)が小さいため、植物体内での酸化還元でより重要な箇所での働きをしているらしい。
実際、どこで働いているかを書くと、
生理作用では光合成や呼吸(糖)の分解の際に電子のやり取りが発生するところで、
光合成では
ちょいと光合成の話でもで記載した
12H2O → 24H+ + 24e- + 6O2
の反応で発生する酸素のところで、Mn3+の強い酸化力が水の酸化分解に重要な役割を果たしている可能性があり、葉緑素の形成、維持に関与されていると考えられている。
他には酸素の活性化、つまりは酸素を活性酸素に変える際にマンガンが関与している。
更にいうと、
ビタミンC(アスコルビン酸)は強い還元力を持つわけだが、
このビタミンCを合成する際にもマンガンの酸化還元の特徴を利用している。
下記の様な解釈が正しいかわからないけど、
鉄は発生した酸化剤(活性酸素等)を鎮める時に使うけど、
マンガンはそもそも論で酸化剤を発生させる時に使う。
といった形で鉄よりも強力な働きを示す。
つまりは
鉄過剰症でマンガン欠乏になると、
そもそも論の生体内の強力な作用が使えなくなるのでいろいろとやばいよということ。
鉄もマンガンも良いとはいえ、
吸収し過ぎに注意だね。