就農7年目あたりの飼料用トウモロコシの栽培に奮闘している方の話を読んだ。
昨今の社会情勢になるであろうと時勢を読んでいて素晴らしい方だと思った反面、危うさも感じた。
危うさと表現したが、栽培の将来についての心配事で、事業自体の将来性の話ではない。
栽培の将来というのは何かというと、肥料に関わってから様々な方から相談を受けたことに一つに新しい栽培法をはじめてから10年ぐらいのところで謎の要因で年々栽培しにくくなっていく問題で、昨今のメディアは若手農家を取り上げるからか、栽培歴10年未満の方を評価する傾向により、冒頭の方も急下落がありそうな気がしている。
この手の相談で決まって言うのが、今まで普通に収穫できていたのにだ。
新しい栽培法をはじめて10年目付近で落ちる現象はほぼ慢性的なマンガン欠乏に陥るのでは?とアタリを付けている。
飼料用作物を栽培するということで、合わせて循環型農業も同時に謳うことができ、
家畜糞の利用頻度が増す傾向にある。
家畜糞の最大の弊害は、糞中の酸化剤的要素(硝酸態窒素)による微量要素欠乏が徐々に蓄積することで、10年目ぐらいで欠乏の許容範囲を超え、栽培が一気に難しくなるという地雷を含んでいる。
この地雷は厄介で、はじめて数年は栽培の質を上げ続けるので、一種の成功体験として定着してしまうことだ。
ただ、この問題も家畜糞の除塩という手があって、
途中で稲作を挟むと、問題が解決することが多い。
田に入水することによって、家畜糞に含まれる酸化剤的要素の除去と微量要素の確保が上記問題を解消する要因になる。
稲作を挟むことのデメリットは入水時に粘土鉱物が入ってきて土が締まるということがあるけれども、稲作は栽培中に土壌環境の向上ができる確信を得たの内容で記載した通りで、問題は解決済み。
将来が心配と記載したが、日本には優れた稲作文化があるので、うまく組み込めば良くなることは間違いないと確信している。
関連記事