岩肌に黄色い群衆が目立つのでマジマジと見てみた。
黄色の地衣類の菌だ。
自信はないけれども、黄色の地衣類はロウソクゴケと呼ぶ。
ロウソクゴケから黄色いキャンドルを作ったのが名前の由来らしい。
地衣類というのは、菌とシアノバクテリア(または緑藻)が共生している生物群である。
最近、藻について見ていると、
藻には緑色の他に褐色藻類や黄色藻類があるので、
ロウソクゴケは地衣類の定義と異なり黄色藻類と共生しているのだろうか?
この疑問に対して、
地衣類についてもっと学ぼうー国立科学博物館-地衣類の探究のページが明快に答えてくれた。
上記リンク先のページから色素についての記載を抜粋すると、
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地衣類の色は灰色、黄緑色、橙色など、様々です。これは、地衣体に含まれる化学成分の違いによるものです。ウスニン酸と呼ばれる色素を持つものは黄色、アントラキノン系色素を含むものは橙色、その他のものは灰色となるので、地衣体の色を見れば含まれる色素の種類を大まかに知ることができます。
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黄色の色素はウスニン酸と呼ばれる酸らしい。
古い論文ではあるが、ウスニン酸の説明を抜粋すると、
結核菌や黄色ブドウ球菌といったグラム陽性菌に対する抗菌性があるとされる。
地衣類の抽出成分・ウスニン酸とその利用 J. Soc. Cosmet. Chem. Japan. Vol. 14, No. 1 1980
これらの情報を踏まえ、
再び岩肌に目を向けてみると、
この一角だけでも抗菌性の物質を分泌して、
過酷な陣取り合戦をしているのだな
と改めて感じた。