前回の野菜の美味しさとは何だろう?脂肪酸の記事で、第6の味覚として脂肪酸を感知する神経が発見されたという研究を紹介した。
この記事では同じ炭素数であっても、多価不飽和脂肪酸のリノール酸を味として強く感じるそうだ。
この内容を見てふと耐寒性の育種の事が頭に浮かんだ。
よく聞く話として、寒さに触れた野菜は甘く美味しくなるという話題がある。
これは凍結防止として葉の中に糖を溜め込むからという理由があるけれども、
育種の手法で実現されているか、案のみなのかは明確ではないが、体内の脂肪酸の構成を融点の高い不飽和脂肪酸の量を増やすというものがあった。
融点が高いということは液体が固まりにくいということなので、不飽和脂肪酸の濃度は凍結防止の要素の一つになる。
不飽和脂肪酸はナタネを含むアブラナ科等の冬野菜に多いイメージがある。
寒さに触れた野菜が美味しいことの背景に不飽和脂肪酸の濃度もあるのだろうか?
※実際は寒さに触れたではなく、寒さに強い野菜のこと
余談だけれども、リノール酸といえば、食事の栄養摂取における必須脂肪酸の一つではあるが、多種の脂肪酸の内、極端に一種だけ摂取だと体によろしくないと言われている。
寒さに強い野菜は他の必須脂肪酸であるリノレン酸といった不飽和脂肪酸の量も多く、脂肪酸のバランスがとれているのであれば、無理やりではあるが、「美味しい野菜=食べると健康になる」の話へと繋がっていくことになる。
ちなみにクルミ等の袋に記載されているω-3脂肪酸等の脂肪酸は今回触れた各脂肪酸のこ6とになる。
※ωはオメガと読む
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