前回のライ麦パンの知見から緑肥の選定に活かせるか?の記事でライムギは他の穀物が育たないような環境でも育ち、寒さにも強い。ただし、粘土質の土壌を苦手とするという内容を記載した。
ライムギは緑肥として見聞きすることが多く、秋から冬に向けて播種することが多い。
同じような気候条件で播種する緑肥としてエンバクもある。
秋蒔き緑肥としてイネ科を選択する時、ライムギとエンバクで悩む方を時々見かける。
ライムギの得意とする環境は前回の記事でわかった。
ということで今回はエンバクの方を見てみることにする。
Hans BraxmeierによるPixabayからの画像
Wikipediaからエンバクの栽培環境に関する内容を見てみると、
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栽培は秋蒔きと春蒔きとに分かれる。エンバクは冷涼を好むものの、ライムギとは異なり耐寒性は高くないため、寒冷地では凍害を受け冬を越せないことが多い。そのため、温暖な土地では秋蒔き、寒冷地では春蒔きを行うことが通例である。エンバクは寒冷でやせた高緯度地帯で栽培されることが多く、世界的には春蒔きによる生産が多い。ムギ類のなかでは湿潤を好み、生育には多量の水を必要とする。また、ムギ類のなかでは乾燥に最も弱く、生育期に乾燥が激しくなると悪影響がある。腐植土を好むが、生育地の幅は広い。酸性に強く、酸性土壌で広く生育するが、アルカリ性土壌にも耐えられる。
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ライムギよりは耐寒性は低いとあるけれども、比較的寒いところでも大丈夫であるみたいだ。
注目すべき箇所はムギ類の中では湿潤を好むとある。
これはおそらくライムギよりは粘土質の土壌を好むと解釈しても大幅に外れることはないだろう。
となると、
秋蒔きの緑肥でライムギかエンバクか迷ったら、土質を見て粘土質であるかどうかで判断すれば良いことになる。
この知見は秀品率向上にとってかなり大きい。
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