神奈川県相模原市のコトブキ園さんから恵壽卵(けいじゅらん)を頂きました。
恵壽卵というのは、『女性のための卵』をコンセプトとし、日本の現代女性に不足している葉酸が豊富に含まれていることが特徴の卵です。
卵は赤玉で、
食欲を唆るような鮮やかなオレンジの黄身も特徴の一つの卵です。
この鮮やかな色に関して、視覚的に美味しさを向上させる要因の一つであるが、人為的に色を向上させるとしてよろしくないという意見もちらほらと見かけるが、個人的には黄身の鮮やかさは機能性を高める上で非常に重要な要素であると考えているので、今回はその話でも書こうかと思う。
これからの話は以前どこかで聞いたレベルの話なので、間違えている可能性があることを予め了承した上で読み進めてください。
卵の黄身の鮮やかな着色は不自然なのか?の記事でも書いたけれども、黄身を濃くする話はもともと、とある港町で食品残渣として出てくるカニ殻を鶏に与えたら、卵の黄身が鮮やかになったということが発端らしい。
おそらくだけれども、卵の黄身を濃くした要因はカニ殻に含まれるカロテノイドの一種のアスタキサンチンであるはずだ。
※カニを茹でた時に赤くなる要因こそがアスタキサンチンである。
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ビタミンAことβ-カロテンと同じような構造を持ちつつ、抗酸化作用はβ-カロテンより遥かに高いと言われる。
ここまでの話であれば、
卵の黄身が鮮やかなのは良いことであることに対して疑う余地はないように思えるが、鶏にカニ殻を与えることで問題が起こった。
その問題というのが、甲殻類アレルゲンも卵に一緒に入るのではないか?ということ。
このアレルゲンの問題を回避すべく、カニ殻の代替として、
カボチャやパプリカを与えているらしい。
カボチャやパプリカの色素もカニ殻同様、カロテノイドで抗酸化作用がある。
余談だけれども、
鶏たちにとっての主食であるトウモロコシにも豊富にカロテノイドが含まれている。
ここで話はチーズの方に脱線して、
ナチュラルチーズのレッドチェダーを見てみる。
レッドチェダーの赤はカロテノイドからの記事で触れた通り、レッドチェダーの名前にあるレッドの由来になった色素の付着はカロテノイドに依るもので、牛乳に含まれるカロテノイドが高い移行率でチーズに残ることでオレンジっぽい色のチーズとなる。
牛に限らず、哺乳類の母乳にはカロテノイド(もしくはβ-カロテン)が含まれている。
話を卵の黄身の色に戻して、黄身の鮮やかさはカロテノイドに依るものであるというのは、親が子に安定的に誕生し、健やかに育ってほしいという願いを込めて、抗酸化作用が強い物質を与えているという見方ができるようになるわけで、これは一種の価値だと捉えても良いはずだ。
卵という食材で見ても、抗酸化作用が比較的豊富に含まれているという状態は、単純に酸化しにくいということで、鮮度が高い状態を維持できる事に繋がるはずで、美味しく食べれる期間が長くなっている可能性もあるわけだ。
余談
卵は亜鉛を豊富に含む食材でもある。
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