抗体こと免疫グロブリンの産生にとって何が重要か?までの記事で、免疫の向上に最重要な要素は亜鉛である可能性が非常に高いことがわかった。
合わせて、免疫を高める為に出来ることは何だろう?の記事で触れた内容で、人体において慢性的に亜鉛が欠乏しているとのこと。
亜鉛が豊富に含まれていそうな食材を連想すると、海産物と豆がふと頭に浮かぶが、それと同時に畑作を続けることは難しいと海洋では窒素、リン酸や鉄が不足しているらしいの記事も同時に頭に浮かんだ。
作物栽培での亜鉛欠乏について再び確認してみようと検索してみたところ、Wikipediaのページで気になる文章が目に入ったので紹介する。
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亜鉛欠乏症とは、植物が植物培地中から生育に十分な量の亜鉛を摂取できないときに発生する病害である。世界中で見られ、穀物や牧草において最も一般的な微量元素欠乏症である。穀物の生産量や品質の著しい減少を引き起こしている。穀物栽培のほぼ半分は、亜鉛が不足した土壌で行われている。結果、人間の亜鉛欠乏症が広く拡散し、問題となっている
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栽培が要因となって亜鉛が欠乏する条件を整理すると、
・酷使した土壌において、有機物を投入せずに更に酷使させた土壌
・リン酸の過剰施肥
・土壌中の硫酸イオン
・土壌への頻繁な石灰散布
等が挙げられる。
※牛糞による有機物の投入はリン酸の過剰施肥に繋がるので行ってはいけない
※ 重要記事 → 今年はリン酸施肥について考えた一年であった
所謂、昭和から続く慣行農法や世間一般で言われる感と経験の農業が慢性的な亜鉛欠乏を誘発することに繋がっている。
合わせて、殺菌剤の使用過多による菌根菌との共生の弱体化と微量要素の吸収力の低下も問題をより深刻にしている。
話は最近大流行しているコロナウィルスに関してで、コロナウィルスに感染すると、顕著な症状として、肺炎と味覚障害が頻繁に挙げられている。
肺炎は亜鉛の投与で症状が軽減されるといった内容を時々見かけ、味覚障害といえば下記の記事で紹介したように亜鉛欠乏によるものだと言われる。
秀品率向上の新たな課題は亜鉛をどう加えるか?の記事で触れた通り、栽培時の亜鉛を見直すことが急務かもしれない。
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