施設栽培におけるECの管理についてまでの記事で、根からの吸水と気孔の開閉を見てきた。

今回のは再び気孔の開閉に関して触れる事にする。


高温ストレスと気孔の開閉についてを考えるまでの記事で乾燥や高温といった植物にとって辛い環境になると根がアブシジン酸を合成して、それが葉に到達して気孔を閉じるという内容を記載してきた。

どちらも葉からの急激な蒸散による脱水症状を避ける為の防御反応のようなものだ。


これらの内容以外で、


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光ストレスにより気孔を閉じるというものを見かけた。


植物にとって受光は大事だけれども、光合成の光反応で活性酸素を生み出してしまうということもあって、株の大きさに見合わない光合成量も考えものであるはず。

遥か昔に植物が上陸にあたって獲得した過剰な受光対策


乾燥していない環境下での光ストレスであれば、根は関係ないはずなので、アブシジン酸が根で合成されて葉に移行されるという話はしっくりこなくなるので、根以外でもアブシジン酸の合成があるはずとアタリを付けて検索してみた。




岡本昌憲著 アブシジン酸の代謝と受容に関する化学遺伝学的研究 Regulation of Plant Growth & Development Vol.51, No.1, 16-23, 2016という読み物に辿り着いた。


上記のページに因ると、シロイヌナズナにおいて、葉でアブシジン酸を合成すると記載されている。

合成経路はカロテノイドであるゼオキサンチンを前駆体として、数回の酵素反応を経て、アブシジン酸へと合成されると記載されていた。


ゼアキサンチンといえば、


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野菜の美味しさとは何だろう?カロテノイドの記事で挙げたトウモロコシの色素で、遥か昔に植物が上陸にあたって獲得した過剰な受光対策の記事で過剰な受光の影響を回避するためのキサントフィルサイクルでも触れた。


ゼアキサンチンについて過去記事で何か触れていないか?と見直していたら、カロテノイドの先にあるものの記事でアブシジン酸の合成経路について触れていた。


もし、乾燥はしていない日でも日光量が多くて気孔が閉じているということがあれば、生産性のロスに繋がる。

この話題に対して頭に浮かんだ事があるが、それは次回に触れることにしよう。