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農文協から出版されているオランダ最新研究 環境制御のための植物生理という本を読んでいる。

この本が出版された頃、京都の北部でシシトウの施設栽培をしている方の間で読まれていて、頻繁に話題にも挙がっていたが、その時はまだ時期ではないと判断して読んでいなかった。


土壌の物理性や生物性を経て、そろそろ細かいところを見る頃合いかと思い、この本を購入してみた。

土壌中に青枯病菌を捕食する生物はいるのか?


施設栽培による環境制御から露地栽培にフィードバック出来る内容は多いはずと期待して読んでみる。




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水耕栽培の培地は露地栽培の堆肥として再利用できるか?


施設栽培で最初に思い浮かべるのが、水の管理であり、pHやECだろうということで、水の化学性から見ていこうかと。




冒頭の本の40ページにECに関して興味深い内容が記載されていた。

記載されている内容を触れる前にECについて触れておくと、ECは電気伝導率の略で、農業の技術書では、ECは土壌中にある硝酸態窒素の残量であるとされているが、実際は水溶性の肥料成分すべての残量を見ている。

例えば、硫酸塩や塩酸塩あたりもECの測定対象となる。

塩と書いて、「しお」と読みたいけどここでは「えん」で


牛糞で土作りをした時の弊害をまとめてみるとの記事で記載したが、土壌のEC値が高いと、植物は根から水の吸い上げをうまく行えずに萎れてしまう。

高EC状態を塩ストレスと呼ぶ。


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緑泥石から土の形成を考える


塩ストレスは団粒構造が形成されている土では発生しにくい。


これらの内容を踏まえた上で、上記の本の40ページに記載されていた内容を抜粋すると

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日中の低EC(1 dS/m)と夜間の高EC(9 dS/m)を組み合わせて管理することで、昼夜一定のEC管理(5 dS/m)に比べてトマトの生産性は10%向上することが研究によって明らかとなっている。

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オランダ最新研究 環境制御のための植物生理 - 農文協 40ページより抜粋


日中の低ECというのは、水が多く、水に溶けているイオンの濃度が少ないという状態で、夜間の高ECはその逆となる。

作物の根周辺のECが低いということは、根による水の吸い上げのストレスが少ないということになり、たくさんの水を吸い上げる事が出来る。


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高温ストレスと気孔の開閉についてを考えるまでの記事の内容に再び触れると、根からの水の吸い上げは、根周辺の浸透圧と、葉の気孔の開閉が大きく影響していて、葉の気孔の開閉は日中の受光量が多い時間帯に多くの気孔が開いている。


この話から、栽培時の水やりは日が沈む夕方ではなく、日が登る明け方に近い方が上記の条件を満たしやすいということになる。

上記の内容は当たり前の内容に見えて、水やりで根の周辺を冷やしてしまうから、日中に向かうタイミングで与えるのは良くないとか様々な意見があったりするもので、明確なものが一つでもあると、他の意見の改善点も見やすくなるから有り難い。


根周辺の急激な温度の変化が株にどのような影響があるのか?が気になったけれども、この手の研究ってあるのかな?

水による土の温度の低下と、気化熱による低下も根に何らかの影響を与えるだろう。


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