森林の保水力を考えたいの記事で、川の上流の森と川の水量の関係を知るために色々と調べた。
川の上流でスギやヒノキといった針葉樹林を植林すると、消失保水量の観点で川の水量が減る傾向にあるそうだ。
これはスギやヒノキといった成長の早い木が水を消費して、川に解放する水量を減らしてしまうからだそうだ。
では、よく森に木を植えると天然のダムのようになるといった話はどのように考えれば良いのだろうか?
前回紹介した読み物中では、森に木を植えることで、貯水ではなく、洪水防止を強調していた。
森から川への水の解放は、森の土壌が保持できる水分量(一時保水力)を超えた時に発生するらしい。
土壌が水を保持できる量を考えた時、
のようなこれから風化が始まるようなところではなく、
腐植が定着したような土壌の方が川に水を緩やかに解放すると考えられる。
前回紹介した読み物では、
秋に葉を土に落とす落葉樹の方が消失保水量(川に水を解放しない方)が少なく、川の水量が減るといった影響は小さい。
落葉樹の落ち葉が地面を覆いつつ、落ち葉が腐熟して土化することで、一時保水力が高まる。
よく落葉する木のことを考えてみると、
森の形成において、落ち葉をよく落とす木が繁茂するのは序盤で、徐々に常緑樹が優勢になり落葉樹がいなくなっていく。
川の水量と植林を考えた時に里山のように木の管理をせずに放置してあるがままに木を成長させたら消失水分量が増加する(≒川の水量が減る)という記載もあったので、
前回の記事の冒頭で話題に挙げた稲作の水の確保の観点から見ると、里山の維持というのが重要であることがわかってくる。
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