今回は水田の基肥の代替の鶏糞で臭気の影響は見ておくべきか?の続き。


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水稲で鶏糞を施肥する場合、一次発酵終了後の早熟か、四次発酵以降の熟成か選ぶことになり、どちらにも一長一短があることがわかった。

栽培と畜産の間にある糞詰り問題


次に気になることとして、家畜糞としての鶏糞に含まれるカリの多さだろうか。

鶏糞にどれくらいのカリが含まれているのか?に関しては、たい肥情報一覧表 [鶏] - 豊橋市の資料がわかりやすいので参考にする。


ばらつきはあるが、NPKを見ると、窒素よりもカリの方が多い傾向がある。


窒素量に気を取られると、カリの施肥量が増えてしまう可能性がある。


これは良いことでは?と思うかもしれないが、以前、稲作でカリウムの施肥を減らして、二酸化炭素の排出量の削減に貢献の記事で水稲でカリの施肥量を制限することで、土壌中の有機物量が増加したという内容を記載した。


稲作で継続的に秀品率の向上を狙う場合、有機物の増加は必須条件である。


この話を挙げると、鶏糞にも有機物が含まれているのではないの?という意見が挙がるが、栽培中に蓄積される有機物と鶏糞に含まれる有機物を天秤にかけて、どちらが良いのか?はわからない。


できることなら、どちらの恩恵も得たい。




話は変わるが、鶏糞を学ぶ上で多大な協力をして頂いた神奈川県相模原市の養鶏農家のコトブキ園さんの鶏糞の成分はどうなっているのか?を確認したところ、N:P:K = 2.2 : 5:3 : 1.3と窒素量に対してカリ量が少なかった。

※一応、Ca : Mg : Kの方にも触れておくと、Ca : Mg : K = 18 : 1.7 : 1.3とマグネシウムが少ないことが気になる。

有機堆肥鶏糞 - コトブキ園

成分含有率を見て、改めて有機質肥料としての米ぬかは優秀だと思う


糞中のカリの量の要因は把握しておいた方が良さそうだ。