師は栽培が終わった畑を休ませ、
そこに元気なエノコロが生えることで次作の収量の確実性を感じていた。
エノコロといえば、
イネ科のC4植物で、
イネ科といえば、ケイ酸をたくさん含む植物のグループであり、
枯れた後は土壌にたくさんのケイ酸を含む有機物として還元される。
枝は腐植になるか?で書いたけど、
現在の土壌での有機物の蓄積モデルは、
鉱物の中にあるアルミニウムとケイ素を含む植物性有機物が結合したものであるとすると、
この風景になり、
冬になって枯れ、春に土と混ぜられとなると、
土壌の有機物の蓄積モデルの模範的な土壌となる。
良い土であったから、
師の畑では人の背丈程のエノコロが生えて、
そのエノコロを土に還す事で、
良い土であることを維持することが出来た。
師の土壌は関西特有の真砂土っぽい土で、
見た感じ、
無色(無色、もしくは白)の他の鉱物と繋がりにくい無色鉱物が多く、
お互いにつながり合う粘土が少ないことがわかる。
これは土壌の有機物蓄積モデルから見て不利なはずで、
これは栽培の不利さに繋がる。
そんな環境でも師は高品質な作物を収穫し続けたことを見ると、
イネ科植物を確実に成長させる環境を用意した上で畑を休ませるというルーチンを組み込むことが、
どのような土地であっても重要な要因になるのではないか?と。
師は当時院生だった私にそういう道を見せてくれたのだろうな。
この話が畜産の糞詰り問題から栽培側への影響へと続いていくけど、
それはまた別の機会で。