エノコロを見ていると、師は畑の指標としてエノコロを見ていたなということを思い出す。
なぜ、指標として扱えるのだろうか?
なんてことを思い浮かべてみると、なんと言っても、どこを歩いていても見かける程メジャーな夏草。
別の言い方をすると、夏であればどんなところにでも生えることができる程強い草だと言える。
それすなわち、荒れ地に生えれば、小さいながら実をつけることができ、ストレスフリーな環境であればどこまででも大きくなれる。
この特徴は指標として十分な機能を発揮する。
人の目線程の背丈にまで成長できたとするならば、根を広く深く伸長することができる環境であるので、作物にとってもそういう環境は理想的である。
次にエノコロそのものの特徴として、イネ科であることが挙げられる。
イネ科の大きな特徴として、体を強くするためにケイ酸を利用する。
イネ科植物はケイ酸を体の一部として生育し、ガラス質の植物珪酸体となり、朽ちた後も土壌に残る。
これをプラント・オパールと呼ぶが、土壌の腐植の主成分として考えられている。
C4型の植物で、夏の高温であれば周囲の他の植物よりも多くの光合成を行い、それをプラント・オパールとして残す。
前に
イネ科の根は強く、硬い土を砕いて柔らかく、更に団粒構造にする。
エノコロが人の背丈程大きくなるということは、地上部と同じぐらい深く根が張るので、エノコロの背丈が高いところでは、深く、より広域に排水性と保水性が高い土壌が広がっていることになる。
師は目の前にエノコロの穂がたくさんある状態を見て、次の作付では良いものが収穫できると確信していたのだろうな。
緑肥ではなく、自然に生える草こそ、今の環境を正確に伝えてくれる!
ちなみにこの写真の土壌は発展途中で、エノコロの背丈は低いけどね。