腐植は土壌中のリン酸の固定を防ぐまでの記事で、植物が土壌に蓄積しやすいリン酸の吸収についてを見てきた。

土壌のリン酸の蓄積は水に溶けたリン酸が鉄やアルミニウムと結合して難溶性のリン酸になることが原因で、これらのリン酸の安定性を崩して吸収するのが難しい。

※上記の内容では有機態リン酸は除く


難溶性のリン酸の蓄積の対策としては、根からシュウ酸等の強酸を分泌して溶かす方法と、溶かした後のリン酸が土に固定されないように腐植質の物質を仕込んでおくことが重要であった。


前者の強酸を分泌する作物として、


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ラッカセイが候補に挙がった。

ラッカセイはAl型リン酸を利用できるか?


ただ、ラッカセイの栽培は盛んな地域とそうでない地域があるというイメージがあって、盛んでない地域でラッカセイを栽培しても収益化が難しいというイメージがある。

国内でラッカセイの需要はどれ程あるのか?


この問題を解決するために改めて作物はなぜ有機物・難溶解性成分を吸収できるのか 根の作用と腐植蓄積の仕組み - 農文協を開いてみると、ラッカセイのAl型リン酸の吸収の話題でラッカセイ程ではないけれども、Al型リン酸の吸収の結果が記載されている作物がある。


それは、


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マメ科のダイズだったりする。


大豆肉の普及には稲作の活用が重要であるはずだ等の記事で記載した通り、ダイズには味噌や醤油といった伝統的な発酵食品だけでなく、最近注目の人工肉(大豆肉)や大豆麺といったように産業としての用途が非常に多い作物となっている。


ダイズのリン酸吸収能力はラッカセイ同様土壌のpHが低い時に多い。

ダイズの栽培は水と酸素を欲すると言われていて、どちらも実現できる腐植質の資材の利用とも相性が良い。


今は安い輸入ダイズによって栽培が割に合わないかもしれないけれども、この状況も後どれくらい保つのかわからないし、準備はしておいた方が良いかもね。