先日、キノコのエルゴステロールについて調べたいと思い、キノコについての論文をいろいろと読んでいたら、下記のタイトルの論文を発見した。
きのこ類が生産する糖質加水分解酵素 木材保存 Vol.39-2(2013)
この論文には、キノコが木材を分解する際に使用される酵素(ただしリグニンは除く)が記載されていた。
その中でふと目についたのが、きのこ類のような菌類は菌糸生長する際に,キチナーゼ,β-1,3グルカナーゼ,β-1,6グルカナーゼ等で一度自身を分解し,その後に合成酵素により細胞壁を再構成している。という記載で、
おや?キチナーゼで一度自身を分解しって、
カニガラを土壌に投入した時にあれか。
ということはキノコが生えていたところではカニガラを入れたときと同じような効果を期待できるという可能性があるのか!
(量的な面での効果はわからない)
まぁ、キノコもカビなので、当たり前といっちゃその通りだ。
さらに読んでみると、シイタケが子実体形成期に上記酵素を生産し,栄養菌糸中のキチンをβ-N-アセチルグルコサミンにまで分解することで,子実体キチン合成の素材またはエネルギー源にする。(途中省略)収穫後すぐ(D0)のシイタケ子実体よりも収穫4日後(D4)の方がキチン分解活性が高いとあった。
キノコが生えたときに周囲のキチンの消費が上がるという解釈をしても問題はなさそうだ。
ということは、
白色腐朽菌(木質を分解するキノコ)がびっしりと生えた資材というのを、うまく組み合わせればカビ病向けの農薬の使用量を減らせる様になるんじゃないか?
(土壌酵素に期待?)
なんて思った。
追記
今回の論文の最後に
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シイタケに含まれる水溶性β-1,3/1,6グルカンはレンチナンと呼ばれ,免疫活性化機能,アレルギー抑制(抗炎症)機能等を持つことから,医薬品または健康補助食品として市販されている。しかしながら,レンチナンは収穫直後には0.5-1.0mg/g 新鮮重含まれているが,その後上述したようなシイタケ自身が分泌する糖質分解酵素群により急速に低分子化(自己消化)されるため,そ の含有量は常温下3-4日間貯蔵において10%程度にまで減少する
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という記載があった。
となると、シイタケの天日干しは何もかも良くなるということではなさそうだ。
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