前回のニセアカシアのアレロパシーに引き続き、化学同人から出版されている植物たちの静かな戦い 化学物質があやつる生存競争の他のアレロケミカルの話題を挙げてみる。
アレロケミカルの一つとしてクマリンという物質の話題があった。
By Calvero. - Selfmade with ChemDraw., パブリック・ドメイン, Link
クマリンは天然の香り成分として、
サクラの葉に存在し、
桜餅の香り付けで活用されているらしい。
クマリンは病害虫や周辺の草に対して高い阻害作用が見られたとのこと。
By Edgar181 - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link
クマリンは普段は細胞内ではクマル酸という形で存在し、細胞が死んだ際にクマリンが生成される。
クマル酸は芳香族アミノ酸のフェニルアラニンからケイヒ酸を経て合成される。
香りの成分なので、周辺に揮発しているのはもちろんのこと、何らかの形で地面にも落ちていると見て良いはず。おそらくだけれども、
落ち葉の中にもクマリンかクマル酸として残っているはず。
直近では周辺の草に対して他感作用を示すかもしれないけれども、前回のカテキンが土壌の粘土鉱物や有機物に付着すると活性を失うということを知ると、
落葉樹であるサクラの葉のクマリンもまた、土壌のコウジカビ等によって良質な団粒構造の素材として活躍するのではないか?
と思えてくる。
今回の話を踏まえた上で紹介したいことがあるけれども、話が長くなるのでそれは次回に
-続く-