株式会社誠文堂新光社から出版されている薄片でよくわかる 岩石図鑑という本を購入した。
これでより深く土について知ることができるはず。
岩石を知って土を知れるのか?と疑問に思うかもしれないが、
例えば真砂土。
真砂土は花崗岩が風化したものであり、
花崗岩というのは酸性岩の深成岩。
酸性岩の酸性は化学のpHではなく、シリカ(珪酸)が多く含まれているかどうかで、酸性であればあるほどシリカが多い。
深成岩はマグマが地下で固まった火成岩の事で、噴火で地表に吹き出てから固まったものを火山岩と呼ぶ。
火山岩と比較して、深成岩の方が石基が大きい傾向がある。
話は変わって、
土壌の有機物の蓄積を見てみると、
有機物(腐植)は土壌のアルミニウムと強く結合して土となる。
粘土と聞いてイメージできる粘土らしさというのはアルミニウム、鉄やマグネシウムが関わっており、
土 ≒ 母岩が何かという観点から見た場合、母岩の酸や塩基というのが土壌の質に大きく関わっているということになる。
現に母岩が超塩基性由来の火山岩(の変成岩)である蛇紋岩であるところは、
蛇紋岩が母岩という事だけでブランドになる。
つまりは風化しにくく、粘土にもならないシリカを多く含む土地であれば、
単純に植物性の有機物(腐植)を突っ込んだところではやく消費されてしまうということになり、
保肥力の向上を狙っての投入なのにあまり意味をなさない
ということになってしまう。
これは経営から見たら由々しき問題だ。
何が言いたいかというと、
関東ローム層で適当に腐植を突っ込んでいるだけでそれなりの土壌になる関東と、
母岩が花崗岩であるところが多い関西の内陸部で比較すると、
関西の内陸部では知恵を絞らなければ良い作物は収穫出来ないことになる。
これが背景にあるから、
関東で栽培研修を受けた人が関西に行くと土で苦戦して、
関西で栽培研修を受けた人が関東に行くと思ったよりも軌道に乗りやすい
という話が出てくるのね。
岩石というのはそういうことを教えてくれる。