知人が微生物の勉強をしたいということで、微生物のきほんが分かる本を探していたところ、

誠文堂新光社から出ていた図解でよくわかる土壌微生物のきほんという本に出会った。
これはとても良い本で、農業という業界でしょっちゅう見かける胡散臭い微生物農法から脱却するための一手となる本だった。
微生物農法を実践している方と出会うと、どう考えても良い土の目標とは異なる微生物、例えば、低pH、嫌気で活発になる細菌の活躍によって土壌を良くしようと奮闘する。
少し考えてみたら、それ、あなたはどんな土壌にしたいの?と栽培のプロ意識を疑う様な事を平気でする始末で、そういう資材も平気で売られている。
(単体で見れば有用な細菌でも、目標から離れると意味がないということ)
そんなことはおいといて、土壌消毒に関して、興味深い内容があった。
メインの話に入る前に、植物が肥料成分のN(窒素)を吸収を見てみると、一番メジャーなのが、硝酸イオン(NO3-)かアンモニウムイオン(NH4+)
ここ最近出始めたものだと、もっと大きなアミノ酸や小さなタンパクなどもある。
植物のアミノ酸吸収・代謝に関する研究 福島農総セ研報2:21-97(2010)
アミノ酸やタンパクは吸収の仕組みが硝酸イオンやアンモニウムイオンと異なるので置いといて、二つのイオンの形状を見てみると、
硝酸イオンがNO3-で陰イオン
アンモニウムイオンがNH3+で陽イオン
同じ窒素成分でも電荷が異なっている。
前回までの話でアンモニアが硝化作用によって硝酸に変わると記載した。
イオンかどうかは水に溶けているかどうかなので、アンモニアも硝酸のどちらもイオンとして話を進めると硝化作用は硝化(に関する)細菌によって行われ、文字通り細菌(土壌微生物)の作用を必要とする。
土壌消毒を行い、硝化細菌が死滅したとすると、土壌のアンモニウムイオンは硝酸イオンに変わることはなく、

こんな感じになる。
ここで注意すべき点は陽イオンのアンモニウムイオンが、陽イオンのミネラル(ここではマグネシウム)の吸収阻害を開始する。
硝酸イオンは別の機構での吸収なので、陽イオンのミネラルと拮抗せず、吸収阻害は発生しない。
肥料成分の大半が陽イオンなので、アンモニウムイオンが土壌にたくさん残っているという時点で、おそらく施肥計画通りの施肥で望んだ結果にはならないだろう。
だったら、硝酸イオンが他の陰イオンの養分を阻害しないの?という疑問が生じるけど、他の陰イオンはリン酸イオンあたりで、リン酸は過剰になりやすいから別に良いんじゃね?
むしろ、リン酸吸収を抑えるために貢献するんじゃないのかな?と
まとめると、適切な環境で増えた土壌微生物により、作物が吸収している養分のバランスを整えられてるってところですかね?
まぁ、無機(アンモニウムイオンや硝酸イオン)の形状ではなく、有機(アミノ酸等)の方がもっと面倒なことが減りそうだけどね。



