アンモニア臭は酸化で消そうの続き

アンモニアはアンモニア酸化細菌によって亜硝酸に変わる。


その亜硝酸は土壌では亜硝酸酸化細菌により硝酸(HNO3)になる。


式は

HNO2 + H2O → HNO3 + 2H+ + 2e-

で亜硝酸から硝酸になるまでに電子が二つ取られているので、

この反応も酸化である。


前回から酸化還元を頻繁に書いてるけど、

微生物はアンモニアを酸化して良いことあんの?

って疑問になりません?




私が生物学を勉強していた時、

この表現が正しいかは自信がないけど、

常に指標にしていたイメージがある。


それは、

どの生物も電子を欲しがっている(還元されたがっている)。

どの生物も活動すると酸化してしまう。

というもの


つまりは、

生物は物質を酸化することによってエネルギーを取り出す。

その時の形は電子である。


キノコだって、

リグニンという難解なものを分解してエネルギーを取り出す時に、

クロコウジカビが蓄積した電子を使って分解を始めたでしょう。

強靭なあれを壊すための連携


電子にはそういう可能性がある。




何故、生物は電子を欲しがっているという風に言えるかというと、

たとえばデンプンを摂取してそこからエネルギーを取り出す時、


デンプンから解糖系を経てグルコース(ブドウ糖)に変える。


そこから、


tca-cycle

クエン酸回路 - Wikipedia


体内でこんな感じの反応を行い、


tca-cycle2


ところどころで電子を取り出し(NADHと記載してあるところ)、

ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドの酸化型に電子を突っ込んで保持しておく。

NAD+ + H+ + e- → NADH


300px-NAD-_to_NADH

(画像:ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド - Wikipediaから引用)


詳細は省略するけど、

NADHが後々、カロリーとなるので、

ブドウ糖の様な有機物を分解される過程で保持した電子≒エネルギー

と解釈して大きく間違えてはいないはず。


というわけで、

生物は電子を欲している。

ということになる。


アンモニアから硝酸までの反応に関与していた細菌も

アンモニアを酸化することによって電子を取り出して、

それを糧にして生きている。



そうすると、

アンモニアって誰が電子を与えて還元状態にしたの?

ってことになるよね。


だって、電子は誰も与えたくないんだよね?


ということで、

次回はアンモニアの発生についてでも見ていこうか


ちなみに

今回の有機物から電子を取り出す反応を酸化的リン酸化と呼ぶ

酸化的リン酸化 - Wikipedia


更にアンモニアから硝酸までの一連の反応を硝化作用と呼ぶ

硝化作用 - Wikipedia