前回は米ぬかを中心に嫌気での反応を見た。
今回は油粕に多く含まれるタンパクを中心に見ていこう。
最初にタンパクとは?だが、巷にはグルタミン酸やアスパラギン酸、ロイシンといったアミノ酸があるが
アミノ酸は上の様な構造をしており、RとなっているところにHが入ることでグリシン。
RにCH2CH2COOHが入るとグルタミン酸になるように、Rに何が入るかによってどのアミノ酸になるかは変わる。
次にタンパクというのが、
各種アミノ酸が直鎖上に並んだもので、各種アミノ酸がどのように並ぶか、並んだ後に、各種アミノ酸同士の関係で構造の捻じれが発生するが、その捻じれ方によってタンパクとしての働き方が変わる。
というのはこれくらいにしておいて、今回はタンパクの分解を見る。
土壌中のコウジカビなどによって、デンプン同様、加水分解を行う。
この後は各種アミノ酸によって分解の仕方は変わってくるが、注意すべきアミノ酸がある。
それは、
とあるアミノ酸は水に触れるとアンモニアや尿素を発生するものがある。
それが何が問題?
ということになるかもしれない。
ここで思い出してほしいのが、ボカシ肥ば化学的な肥効ではなく、有機酸の良さを活用していきたいということで、
水がたくさん発生すると、タンパク質系の有機肥料の良さを活かせないということになる。
もう一点思い出してほしいことが、
デンプンを好気発酵で処理すると、水がたくさん発生する。
だとすると、米ぬかボカシは好気発酵で処理すると、米ぬかや油粕の良さを二酸化炭素やアンモニアにしてしまうということで本末転倒であることがここからわかる。
前回の内容からまとめると米ぬかボカシは嫌気発酵でないと狙った効果を発揮しない。
嫌気にするということで密封にするわけだけど、ここでデンプンやタンパクの加水分解で用いる以上の水があると、アンモニアが発生してしまう。
更に密封にするためのビニールに穴が空いていると、そこから酸素が入り、デンプンの好気分解が始まり水も発生するのでアンモニアが発生する。
以上が米ぬかボカシを作る上で意識した密封と水分量の理由になる。
密封と水分量がしっかりとしていれば、ピルビン酸や乳酸といった有機酸がたくさん残るため、漬物のような甘い匂いになり、密封や水分量で失敗したら、アンモニアや尿素臭が有機酸よりも勝るため悪臭を発する。
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