米ぬかボカシを作ろう!水分量が大事!までで、米ぬかボカシは密封の嫌気発酵で処理をした方が良いということを記載した。
この嫌気について、もう少し詳細を見てみると、良いことがたくさんある。
例えば、
デンプンを嫌気発酵すると、コウジ → 酵母 → 乳酸菌の様な流れで乳酸が発生することがある。
乳酸菌は乳酸を合成する細菌の総称だけど、特徴をまとめると、乳酸菌が活発になるところから安定するまでの条件って、
・有機物が潤沢にあって
・酸素が比較的少ないところ
・pHが低いところ(pH4~6あたり)
ということになり、
上の写真の様に密封にし、順調に発酵出来たらビニールの中のpHは下がる。
ここで新たな反応が起こる。
仕込んでおいた苦土石灰。
主成分は炭酸カルシウムと炭酸マグネシウム。
乳酸と炭酸カルシウムの様な炭酸塩が合わさると、酸の強さが乳酸 > 炭酸なので、乳酸が炭酸塩を溶かすことになる。
反応は下記の通りで、
2CH3CH(OH)COOH + MgCO3 → 2CH3CH(OH)COO- + Mg2+ + H2O + CO2
で乳酸塩、水と二酸化炭素ができる。
この反応は、根酸が炭酸塩を溶かすと同じ反応になるので、
この写真の右側の熟成米ぬかボカシは、カルシウムやマグネシウムといった成分を障害がほぼない状態で、しかも速効性になるように施肥することが出来るようになる。
ここでいう障害は硫酸根や硝酸根が土壌に残ることで、今の話では一切出てきていない。
追記
ボカシの嫌気発酵で乳酸になってからはじめて炭酸塩を溶かすのではなく、実際は生成された様々な有機酸によって炭酸塩が溶かされるはずで、密封した袋の中に乳酸塩のみが溜まるということはないはず
(各種有機酸塩として溜まる)
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