健康食品としてのクロレラまでの記事で、微細藻類の緑藻は人の社会にとって様々な可能性を秘めているらしいというような内容を記載してきた。


次は肥料といきたいところだけれども、その前にもう少し微細藻類が注目されているところを記載しておきたい。


微細藻類は健康食品で注目を集めているけれども、昨今の某ベンチャー企業によって燃料としての可能性もあるという認知が広まった。

そもそもの話で石油自体が微細藻類由来だという発見があった。

読み物:筑波大学|TSUKUBA FRONTIER|#006:いよいよ花開く藻類研究 バイオマスの秘められたパワーを世界へ

オーランチオキトリウム - Wikipedia




燃料以外で微細藻類に注目する大事な理由がある。

それは微細藻類を(主に漁業の)飼料として利用すること


クロレラを例に挙げても、クロレラの紹介文で高い光合成能力が備わっており、空気中の二酸化炭素、水、太陽光とごく少量の無機質があれば大量に増殖するわけで、水資源に恵まれるが、面積の面で不利な日本にとって、飼料を確保することが如何に重要であるかは簡単にイメージできる。


これらの話に興味がある方は、


978-4-425-88061-4

応用微細藻類学−食料からエネルギーまで− | 海事・水産・交通・気象の専門書籍出版社の成山堂書店


応用微細藻類学をおすすめする。




ここからが本題。


微細藻類への興味の元々の発端は


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藍藻類が塩類集積地に植物の環境をもたらす


ハウス栽培での牛糞堆肥過剰施肥時に見られる藍藻および緑藻の発生からだったわけで、微細藻類を飼料として利用したいという研究があることを知った時にふと頭に浮かんだことがある。

微細藻類が欲しがる硝酸や金属は家畜糞の中に含まれているよな?


家畜糞による土作りを行っているところで微細藻類が旺盛に繁殖しているがその証拠。


頭に浮かんだら、とりあえずは先行事例がないか?手持ちの本なりを出して読んでみると、


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滋賀県立琵琶湖博物館で購入した普及版やさしい日本の淡水プランクトンという本の食文化を支えるプランクトンというトピック(113ページ)で、下記のような説明があった。


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水産試験場のコンクリート水槽に鶏糞を入れると20日間程で水槽の水が緑色になり、その2〜3日で、緑色が茶色に変わるとワムシ(動物プランクトン)が発生してきます。ワムシが多く発生している時期は3日〜1週間ほどで、その後ミジンコ類に移ります。増えたプランクトンを集めて稚魚に与えます。

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鶏糞がニゴロブナの餌に化け、ニゴロブナが近江の伝統食且つ名産に化けているではないか!

ニゴロブナ - Wikipedia


この過程で序盤の水槽の水が緑色になっている時が微細藻類が旺盛な時期で、極端にいえば二酸化炭素を消費して光合成産物が大量にある状態だと言える。


緑色の個所をすくい上げては何かに活用(もしくは土に混ぜ)、また水が緑色になってはすくい上げを繰り返すことが工業的に出来れば、家畜糞の処理と二酸化炭素の削減の両方に貢献することが出来る。

栽培と畜産の間にある糞詰り問題

大気中の温室効果ガスを減らしたい