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カテゴリー : 植物栄養/page-2

 

二価鉄を求めて-前編

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植物の生育に必須な二価鉄は、過剰症のリスクもある。岐阜県飛騨小坂の巌立峡は火山由来の渓谷で、周辺には二価鉄を含む鉱泉や湧水が存在する。地元民によると、川も含めた周辺の水はマグネシウム、カルシウム、キレート化された二価鉄が多いという。巌立峡の地質は安山岩・玄武岩類からなる非アルカリ苦鉄質火山岩類である。つまり、二価鉄を多く含む川の上流の地質は火山岩である可能性が高い。下流には食味の良い米の産地があることも興味深い。

 

重要だけど扱いにくいものでもある二価鉄

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二価鉄(Fe²⁺)は、電子を容易に受け渡しできるため、光合成を含む植物の生命活動において電子の運搬役として不可欠です。電子は物質の合成や分解、エネルギー源として重要であり、二価鉄はその供給を担います。しかし、二価鉄は酸化しやすく活性酸素を発生させるリスクがあるため、過剰症に注意が必要です。植物は、土壌中の三価鉄(Fe³⁺)を還元して二価鉄として吸収する戦略を持ち、体内で糖などから電子を得てこの還元を行います。二価鉄を肥料として利用する場合、酸化を防ぐため有機酸で包み込んだキレート鉄が用いられます。二価鉄は、リスク管理が必要だが、成長を促進する重要な要素です。

 

光合成の明反応-後編

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光合成の明反応後編では、電子伝達系に関わる物質の詳細が説明されている。シトクロムb6f複合体にはヘム鉄を含むシトクロムが、プラストシアニンには銅が、フィレドキシンには鉄-硫黄クラスターが含まれ、それぞれ電子の運搬役を担う。これらの物質の合成にはグルタミン、マグネシウム、二価鉄、マンガン、カルシウム、硫黄などが必要となる。特に、これまで注目されてこなかった二価鉄の重要性が示唆されている。

 

光合成の明反応-前編

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この記事では、光合成の明反応に関わる必須元素を解説しています。明反応は、水から電子を取り出しNADPHを生成する過程で、マンガンクラスターが水の分解にマンガンを必要とすることを説明しています。さらに、光化学系ⅠとⅡではクロロフィルが光エネルギーを吸収するためにマグネシウムが必須であることを述べています。加えて、高エネルギー反応に伴う活性酸素対策としてカロテノイドが存在し、βカロテンは炭素と水素のみで構成されていると補足しています。これらの元素の供給が光合成、ひいては植物の生育に不可欠であることを示唆しています。

 

畑作を続けることは難しい-後編

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露地野菜の連作障害を防ぐため、輪作に水田稲作を取り入れる意義を解説。連作により特定養分の枯渇、病害虫の増殖、土壌物理性の悪化が生じる。水田化は、湛水による還元状態で土壌病害虫を抑制し、有機物の分解促進と養分バランスを整える。水稲の根は土壌物理性を改善し、後作の野菜生育を促進。さらに、水田転換畑の交付金制度を活用すれば、経済的メリットも得られる。水田稲作は連作障害回避の有効な手段であり、持続可能な農業経営に貢献する。

 

目に見えない銅欠乏

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植物の銅欠乏は、目に見えにくい問題です。銅はリグニンの合成に関わり、植物の防御力を高めます。また、腐植蓄積にも関与し、健全な発根を促進します。しかし銅の必要量は微量で、主要肥料にも含まれないため、土壌中の銅は不足しがちです。特に畑作では、鉱物由来の銅が供給されにくいため、欠乏が深刻化します。銅欠乏の初期症状は防御力の低下で、害虫の食害や、それに続く病原菌の侵入として現れます。つまり、害虫被害や病気の発生は、銅欠乏の指標となる可能性があります。

 

畑作を続けることは難しい-前編

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ネギの連作障害について、施肥設計の見直しによる発根量の向上で土壌環境の改善を目指したが、極端な連作では効果が見られなかった。病原菌の増加以外に、収穫時の養分持ち出しに着目。NPKなどの主要要素以外に、マンガン(Mn)や銅(Cu)などの微量要素の不足が連作障害に関与している可能性を考察し、次編へ続く。

 

銅を中心にして、リグニンを廻る植物とキノコたちの活動

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植物は銅を利用して難分解性有機物リグニンを合成し、自らを害虫や病原菌から守る。キノコは銅を利用してリグニンを分解する。廃菌床はキノコ栽培後の培地で、キノコが生え終わった後もリグニン分解のポテンシャルが残っている。これを土壌に混ぜ込むことで、土壌はフカフカになり、植物の側根や毛細根の生育が促進される。さらに、廃菌床に残存する銅を作物が吸収することで、植物はより強くなり、病害虫への抵抗力が高まる。この一連の流れは、銅を介した植物とキノコのリグニンをめぐる攻防の延長線上にあると言える。ボルドー液のような銅製剤は、このメカニズムを応用した農薬である。

 

元素118の新知識から金属酵素の働きを知る

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亜鉛はI-W系列の元素であり、農薬に含まれることで植物の生育を促進します。I-W系列の元素は相互に関わり合いながら、酵素などの生体分子を構成しています。亜鉛を含む金属酵素には、炭酸無水化酵素、アルコール脱水素酵素、カルボキシペプチダーゼなどがあります。これらの酵素は、炭酸の除去、アルコールの酸化、タンパク質の分解などに重要な役割を果たします。さらに、亜鉛はジンクフィンガータンパク質にも含まれており、遺伝子発現の制御に関わっています。植物における亜鉛欠乏は、光合成の低下、成長阻害、花の減少などの症状を引き起こす可能性があります。

 

蛇紋岩とニッケル

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蛇紋岩は苦土と鉄を豊富に含み、栽培に有益と思われがちだが、土壌専門家はpH上昇とニッケルの過剰を懸念している。ニッケルは尿素分解酵素の必須元素だが、過剰は有害となる。しかし、稲作や蛇紋岩を含む山の麓の畑では、pH上昇やニッケル過剰の影響が異なる可能性がある。専門家が局所的な観点から欠点と捉える特徴も、より広範な視点から見直す必要がある。

 

亜鉛を含む農薬の作用をI-W系列から考えてみる

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マンゼブは亜鉛を含む農薬で、I-W系列に基づくと、亜鉛は強力な結合力を持ちます。この亜鉛がマンガンや鉄を利用する酵素タンパク質に結合すると、酵素の作用が阻害されます。I-W系列では、結合力が強い金属ほどリグニンなど強固な物質の合成に関与しますが、結合力が強すぎると生命活動に悪影響を及ぼします。銅は生理作用を維持できる範囲で結合力が強く、リグニン合成に必須ですが、アルミニウムは強すぎて毒性があります。亜鉛は銅に次ぐ結合力を持ち、生命活動に不可欠な微量要素でもあります。マンゼブが亜鉛を含んでいるため、病原菌の酵素を阻害する効果がありますが、植物は微量要素として亜鉛を利用するため、予防薬として用いることができます。

 

イチゴの果実の着色を担う物質は何か?

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イチゴの鮮やかな紅色はアントシアニンによるもので、品種に関わらず、シアニジン-3-モノグルコシド、ペラルゴニジン-3-モノガラクトシド、ペラルゴニジン-3-モノグルコシド、シアニジン、ペラルゴニジンの5種類が確認されている。これらのアントシアニンは、フェニルアラニンとマロニルCo-Aから合成される。フェニルアラニンは植物の防御機構にも関与するアミノ酸である。アントシアニンは抗酸化物質としての働きも知られている。

 

イネがシリカを吸収すると

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イネのシリカ吸収は、倒伏防止、害虫忌避、病害耐性向上、リン酸吸収効率化、受光態勢改善など多くの利点をもたらす。ケイ酸はイネの組織を強化し、光合成を促進する。玄武岩質地質でも良質な米が収穫されることから、植物が吸収する「シリカ」は二酸化ケイ素ではなく、かんらん石等の可能性が示唆される。肥料としてシリカを与える場合は、グリーンタフ由来の粘土鉱物が有効。グリーンタフは火山灰が堆積したもので、モンモリロナイトなどの粘土鉱物を豊富に含む。

 

葉物野菜は寒さに触れて甘くなる

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スクロースは、グルコースとフルクトースがグリコシド結合した二糖類で、砂糖の主成分。植物では光合成産物として葉で合成され、師管を通って貯蔵器官や成長部位へ輸送される。ショ糖とも呼ばれる。非還元糖であり、変旋光を示さない。水への溶解度は高く、甘味料として広く利用される他、保湿剤や医薬品添加物としても使用される。加水分解によりグルコースとフルクトースになり、転化糖と呼ばれる。スクロースは、生物にとって重要なエネルギー源であり、植物の成長や代謝に不可欠な役割を果たす。

 

個々のアミノ酸は植物にどのような効果をもたらすのか?

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アミノ酸はタンパク質の構成要素であるだけでなく、個々のアミノ酸自体が植物に様々な影響を与える。例えば、プロリンは乾燥ストレス時に細胞内に蓄積し、植物の耐性を高める。また、チロシンは植物ホルモンであるサリチル酸の前駆体であり、サリチル酸は植物の病害抵抗性や成長に関与する。このように、アミノ酸は単なる材料ではなく、植物の様々な生理機能に直接関わる重要な役割を担っている。

 

植物は銅を何に活用するか?

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生物は常に活性酸素を発生しており、これは呼吸によるエネルギー産生の副産物である。活性酸素は細胞を傷つけるため、老化や病気の原因となる。しかし、生物は活性酸素を完全に排除するのではなく、免疫や細胞の情報伝達などにも利用している。活性酸素の発生源や種類、細胞への影響、そして生物がどのように活性酸素を利用し、防御しているかを理解することは、健康維持や病気予防に繋がる。

 

植物はいつプロリンを合成するのか?

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植物は乾燥や高塩ストレスといった水ストレスに晒されると、細胞内にプロリンを蓄積する。プロリンは適合溶質として働き、浸透圧を調整することで細胞内の水分を保持する役割を果たす。これは、高塩ストレス時に細胞外への水分の移動を防ぐのに役立つ。このメカニズムは、水ストレスに晒されやすい植物にとって重要な生存戦略と言える。一方、過剰な施肥による高塩ストレス状態は、栽培においても見られる問題であることが示唆されている。

 

ハチは糖原性アミノ酸のプロリンを持って遠くへ行ける

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スズメバチは翅の付け根に糖原性アミノ酸であるプロリンを蓄え、長距離飛行を可能にしている。プロリンはカロリー貯蔵として利用でき、グルタミンを二回還元することで合成される。グルタミンは光合成の窒素同化で生成されるため、プロリンも植物の葉に多く含まれる可能性がある。このプロリンの特性が、スズメバチ以外の昆虫にも応用されているか、そして植物における役割について、次回考察される。

 

トウモロコシの穂発芽

知人が菜園でトウモロコシの爆裂種(ポップコーン)を育てていて、昨日収穫していたんだけど、カメムシやらカビなりで秀品率が低いと嘆いていた。収穫した数本のうち、一本だけだけど、穂に付いていた時点で発芽していたものがあった。これは米で言うところの穂発芽に近いな。穂発芽はタネの休眠性が低い品種において、収穫前の多量の降雨によって発生するとされる。確かに今年は雨が多かったけど、収穫した数本の内、たった一本、しかも一箇所だけとなると、これは

 

葉面散布と尿素

大雨が続きますねで大雨のことを書いた。雷雨時の窒素固定?の前に話は大きく変わるけど葉面散布について書いておきたい。葉面散布とは作物の栽培時に、肥料成分を溶かした溶液を葉に対して散布して、葉から養分を吸収させる仕組みである。つまりは葉からも何らかの養分を吸収できる仕組みがあることになる。散布の際の肥料の濃度は世間でノウハウがかなり溜まっているから、そのノウハウに従うということでここでは一切触れません。ここで触れたい内容は葉からの吸収に関することで、葉面散布の際に

 

茄子の糠漬けで鮮やかな色を残すことを考える

前回のナスの漬物で残したい色素のことがわかった上で、ナスの糠漬けに話を戻したい。茄子の糠漬けで鮮やかな色の基は何か?質問者に糠漬けの構成を聞いてみたところ、下記の返答があった。糠以外は焼ミョウバン、第一酸化鉄、昆布、鷹の爪をいれております。丸まま調味液漬やカットの調味液漬は良い色ばかりです。論文にある構成は含んでいるね。これらを踏まえた上で、質問にあった着色が悪い茄子の漬物を見ておくと、こんな感じ。とりあえず今の話をまとめておく

 

栽培開始前に土壌に十分量の鉄が入っているか?

九条ねぎの京都知七さんで連作障害の話をしましたで酸化還元酵素の話が頻繁に出てきたので、必然的に鉄のことを多く触れることになり、質問でも当然鉄のことが挙がる。鉄は鉱物にたくさん含まれているとはいえ、無茶な連作では鉄欠乏が見られるようになる。※特に水田で作物と鉄まとめどんな質問かといえば、普段の施肥設計では十分量の鉄が含まれているのか?というもの。ここでは量は控えるけど、注目の資材、ベントナイトについて知ろう基肥としてベントナイト系の鉱物肥

 

ソテツは蘇る鉄と書いて蘇鉄

昨日のNHKのブラタモリで奄美大島を紹介していた。そこで大島紬の泥染めという落ち着いた深く薄い黒の染め物の染め方を紹介していた。ブラタモリ - NHKこの染め物はテーチ木(車輪梅)から抽出したタンニン酸と(キャプチャはNHK_PR |NHKオンラインから作成しました)泥田にある酸化されていない鉄が反応した時に深みのある黒色に化学反応を起こす。染め物で鉄を利用すると当然、泥田の鉄は消費されるわけで年々減っていく。そこで歴史的に行われている対応として、

 

サツマイモを切ったら、規則正しい褐色の点

サツマイモを切ったら、維管束に合わせて褐色になってた。う〜ん病気でなく木化しているように見えるんだよな。導管の細胞は成長に従って、機能だけ残して核はなくなるらしいし、ストレスでこうなったのかな?こうなったサツマイモをゆでて食べると、パサパサしていて苦いし…何らかの要素が欠乏していたことによるストレスかな?ホウ素という栽培に潜む罠

 

カルシウム過剰によるカルシウム欠乏

トマトの栽培でよく聞く尻腐れ病。病気と書いているけど、カルシウム欠乏が原因みたいで、尻腐れが出た畑ではカルシウムを与えるようにと指導を受けることが多い。しかしだよ、カルシウムを与えてトマトの尻腐れが治まる方が少なく、大半は尻腐れが悪化する。悪化するにも関わらず、この手の指導が行われ続けているのは、背景にリービッヒの最小律の考え方があるからだろう。リービッヒの無機栄養説現代の栽培において、栽培をははじめる前に石灰でpHを調整しておく。安価な鶏糞が至るところに

 

リービッヒの無機栄養説

農業史、肥料を扱うにあたって忘れてはならないのが、ユストゥス・フォン・リービッヒと彼が提唱した無機栄養説だろう。ユストゥス・フォン・リービッヒ - Wikipediaリービッヒは化学者で、あらゆる植物の栄養源は腐植のような有機物ではなく、炭酸ガス、アンモニア(または硝酸)、水、リン酸、硫酸、ケイ酸、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどの無機物質であるという無機栄養説を唱えた。さらに最小律という植物の生長速度や収量は、必要とされる栄養素のうち、与えられた量のもっとも少ないもの

 

揚げたニンジン、焼いたニンジンはなぜこんなにも甘いのだろう?

セレクトファームから破棄のニンジンをもらったので、ニンジンを短冊切りにして衣をつけて揚げてもらって食べた。甘い!ニンジンは破棄が出やすいので、前にバーベキューに持って行って短冊切りにして炭で焼いた時もとんでもなく甘かった。なぜ、揚げたり焼いたりするとこんなにも甘くなるのだろう?って食卓で話題に挙げたら、水分がとんで養分の濃度が上がったからじゃない?と返答がありました。夢がないなぁ〜なんかこうもっと、イネの様に中にある甘さ

 

果実内発芽から見える土の状態

これはカボチャの果実の断面だけど、普段のカボチャと違ってなんかおかしい。果実内のタネが発芽しているのね。この現象を果実内発芽といい、果実の生理障害の一つとして栽培上の大きな問題の一つである。そもそも、果実内ではなぜタネが発芽しないのか?というのがこの話の前にあって、本来果実の中では熟す過程の間にアブシジン酸というホルモンが合成され、タネがそのホルモンに触れることで休眠状態に入り発芽しなくなる。何らかの条件により果実内でアブシジン酸が合成されないと、

 

ヒルガオ科の強さに頼る

ヒルガオは強いヒルガオ(科)の草は強いということを記載した。周囲の背の高い植物に巻き付いて、すぐにてっぺんをとってしまう強さは半端ないものがあるだろう。そんなヒルガオ(科)の強さ、変化アサガオのタネを蒔きましたアサガオの様な園芸ではなく、作物として活用できないだろうか?アサガオはとある作物の品種改良のために、戦争前後で盛んに研究されていたらしい。そう!ヒルガオ科の作物といえば、サツマイモ。葉を見ると、

 

鉄過剰症で見えてくるマンガンの存在

作物と鉄まとめで鉄過剰症になるとマンガン欠乏が発生しやすいと記載した。マンガンとは一体何で、欠乏すると何が問題なのか?これを知らなければ、鉄過剰症が深刻であるのか?判断できない。というわけで調べてみる。マンガンMnは鉄と同じように、生体内でMn2+ → Mn3+の様に変化し、生体内での酸化還元に関わっている。細かい説明はおいといて、朝倉書店 植物栄養・肥料の辞典 102ページのマンガンの項目を読むと、鉄よりも配位力(タ

 

鉄と上手なお付き合い

鉄という物質がある。鉄をイオン化させると、Fe2+とFe3+という2つの形をとる。酸化鉄(Ⅱ)や酸化鉄(Ⅲ)という形で今までよくでてきたよね。還元剤としてのシュウ酸?これは1つの電子を放出しやすく受け取りやすいという鉄イオンの大きな特徴らしい。放出しやすく受け取りやすいということは、どこかで発生した電子を保管しやすく、どこかで使いやすいという意味を示している。だから、(画像:5-アミノレブリン酸の農業利用に関する技術開発 Regulation

 

親から子への贈り物

卵の梱包に蕎麦殻を店で売られている鶏の卵には、白玉と赤玉(茶?)がある。実際、何が違うの?と養鶏の方に聞いてみると、色以外特に違いはないらしい。赤玉の方が美味しそうに見えて売りやすいから、赤玉を出荷する方が多いそうだ。そんなことはおいといて、この色付きの殻。なぜ色を付いているか?という疑問があるだろう。何の意味があるのだろうか?以前、この事のついて調べてみたけど、大きく分けて二つの可能性があると考えられていた。その二つという

 

マグネシウムを中心に置いて

苦土と書いてクド。マグネシウムのことでマグネシウム(苦土)が光合成を行うクロロフィルにとって大事な成分で、マグネシウムが不足すると葉の緑色が薄くなって黄色葉になると記載した。例えば、葉が黄色になったからマグネシウムを与える。それで必ず解決すればいいけど、そうでないことも多々ある。マグネシウムだけでクロロフィルができるわけではないので、クロロフィルについて見ていこうと思う。クロロフィル - Wikipediaこれはクロロフィルの一種のクロロフィルaの化学式上の八角

 

苦土と書いてクド。マグネシウムのこと

苦土と書かれた肥料をよく見る。苦土というのはマグネシウムのことで、マグネシウムといえばニガリ等。マグネシウムを含むものを舐めてみて苦かったから苦土といいはじめたらしい。本当かな?で、栽培において結構発生するのが苦土欠。マグネシウムは必須要素に次ぐ必要な要素で、多くの量を必要とするけど、諸々の理由があって欠乏しやすい。では、マグネシウム欠乏とはどのような症状か?ということを見てみると、葉が黄色のなる症状で、下の葉から出やすい。葉が黄色

 

マメを食え、マメを

昨日は節分だったので、歳の数だけダイズを食べた先日ダイズを食った。それは昨日の記事を見ればわかるか!このダイズにはイソフラボンというものが含まれいて、それが女性ホルモンのエストロゲンに類似しているらしい。イソフラボンはエストロゲン受容体のアゴニストとして扱われているけど、イソフラボンが多すぎると拮抗する可能性もあると※アゴニスト:ホルモンの様に働く作動薬アゴニスト - Wikipediaということが下記の論文に記載されていた。大豆イソフラボン類の代

 

昨日は節分だったので、歳の数だけダイズを食べた

昨日、節分だったので、年の数だけダイズを食った。…年の数以上にダイズを食べました。そういや先日、節分に年の数だけダイズを食べるのは理に適っているという話を聞いた。これから春に向けて、ダイズの中にあるイソフラボンという成分が女性の体調を整えるとのこと。イソフラボン - Wikipedia年の数を食べるとちょうどいいらしい。そういや、ホウ素という栽培に潜む罠ダイズ油粕にホウ素がたくさん含まれている。ホウ素と

 

ジャガイモを割ったら中が染まってた

もらったジャガイモを切ってみたら、中はこんな感じで褐色になってた。調べてみたら、どうやら褐色心腐という生理障害っぽい。これは肥大期に高温、もしくは乾燥状態におかれると発生するらしく、要は夏から秋に向けての時期に雨が少なく灌水しないもしくは土壌の保水性が少ない箇所で栽培すると発生するらしい。ジャガイモってさ、あまり堆肥を突っ込まないところで栽培するでしょ。そうなって、雨の少ない年になるとこの手の障害が発生する。

 

硝化細菌が植物の根の周りで頑張ってる

知人が微生物の勉強をしたいということで、微生物のきほんが分かる本を探していたところ、誠文堂新光社から出ていた図解でよくわかる土壌微生物のきほんという本に出会った。これはとても良い本で、農業という業界でしょっちゅう見かける胡散臭い微生物農法から脱却するための一手となる本だった。微生物農法を実践している方と出会うと、どう考えても良い土の目標とは異なる微生物例えば、低pH、嫌気で活発になる細菌の活躍によって土壌を良くしようと奮闘する。少し

 

石灰には気を付けろ

石灰はpHを調整する為に使うものから散々石灰のことを記載してきたが、石灰だからといってpHを調整できるわけではないで記載した通り、石灰はpH調整の資材ではなく単純にカルシウムという意味なだけだから!ということを忘れてはならない。pHを調整する以外でも、そもそもカルシウムは植物が生育する上で大事な成分であって、カルシウム自体を肥料として与えることが多い。さらに言うと、カルシウムを与えるつもりでなくて、pHを調節するつもりでもなく、肥料にカルシウムが含まれることが多く、いつの間にかカルシ

 

く溶性の使いどころ

く溶性のくはクエン酸のくで2%クエン酸溶液に溶ける肥料(石灰)があると記載した。なぜ、クエン酸で溶けるのが大事なのか?と言うと、コムギ幼植物の分泌物による難溶性リン酸塩の溶解 日本土壌肥料學雜誌 72(1), 63-68, 2001-02-05の概要に下記の様な記載があった。根圏土壌抽出液中の有機酸を分析したところ,シュウ酸,クエン酸,リンゴ酸およびフマル酸が検出され,特にリンゴ酸が多量に確認された。つまりは、く溶性とは、根が肥料(石灰)の近くに到達し、根

 

ホウ素という栽培に潜む罠

学術機関にいる人はこう言う。ホウ素欠乏なんてほとんど発生しないよと。元JAに勤めていた人や肥料関係の仕事をしている人はこう言う。ホウ素欠乏なんて頻繁に起こりますよと。教科書レベル、つまりは数値のレベルではほとんど発生しないと言われていても、現実では良くあることなんてたくさんある。その一つがホウ素欠乏だろう。元JAの職員が上の写真をホウ素欠乏の可能性があるという。これはアブラナ科のカブの断面で、根の方が黒ずんでいる。酷い症状だと、断面が真っ黒

 

最初に疑えというぐらいカリウムは大事

良いと言われたことでも度が過ぎるとねぇで記載したカリウムやホウ素と言った鉱物由来の肥料成分を潤沢に補充できる資材がないということ。成分を見ると、含まれている肥料はあるんだけど、それを採用しないで栽培するということが多い。カリウムが含まれている肥料は多いんだけど、ホウ素はほとんどない。その割にみんなが育てたがっているキャベツやダイコンでホウ素をたくさん使う。なんてことは置いといて、土作りといっても偏った資材投入でいつの間にか陥ってしまうカリウム欠乏。カリウムはたくさ


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