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カテゴリー : 植物栄養/page-1

 

トマトの栄養価から施肥を考える

たまたまトマトの栄養価について記載されているプリントが目に付いたから読んでみたら、糖や色素のリコペン以外に不飽和脂肪酸のリノール酸やアミノ酸のグルタミン酸が記載されていた。今回の内容からいきなり脱線するけれども、英語版ウィキペディアのEdgar181さん - en.wikipedia からコモンズに移動されました。, パブリック・ドメイン, リンクによるリノール酸に関して、トマトから中性脂肪の燃焼を助ける物質を発見 - 京都大学 - Science Portalという記事...

 

トマト栽培において最適な根域温度は何℃であるか?

前回のトマトの水耕栽培で水温を意識すべきか?の記事の続き。前回の記事ではトマトに与える養液の水温の違いで成長の違いを見ていた研究報告を紹介した。12℃という低温の養液を与えることで、成長は抑えられるが、果実の品質が向上するという内容であった。前回の内容から更に知りたい事として、最適な水温は何℃であるか?になるかと思う。この疑問の対して、河崎靖 トマトの周年安定生産を目的とした局所温度制御システムの開発に関する研究 - 農研機構研究報告 野菜花き研究部門 第 1 号:35~72...

 

トマトにケイ素を施用した時の効果を考えてみる

有機栽培で使える可溶性ケイ酸は何処にある?までの記事でトマト栽培とケイ素の話題を記載してきた。キュウリでの話であったが、ケイ素を吸収することで、葉内のマンガンの分布が均一化する事がトマトでも同様の事が言えるならば、これは相当凄いことになる。葉でマンガンが均一化していないということは、葉で局所的にマンガンが過剰になっている細胞と、逆の欠乏になっている細胞がある事になる。順は逆になるが、マンガンが欠乏している細胞では光合成の最初の反応である水から電子を取り出す事がうまくいかずに光...

 

トマトにどうやってケイ素肥料を効かせるか?

前回のトマトとケイ素の記事で、トマトはケイ素が非集積型の植物に分類され、ケイ素(ケイ酸)肥料を寝に与えても、根の周辺に集まったままであるらしいが、それはトマトの根のケイ素の輸送体の一部が欠損していたという理由だった。輸送体が欠損してから相当の時間が経過したので、葉や茎でのケイ素の要求はいくらか変化してしまったかもしれないが、ケイ素がないと奇形になるので、地上部はケイ素を求めているはず。そんなトマトに対して、どのようにケイ素を与えれば良いのだろうか?根からの吸収が期待できないと...

 

トマトとケイ素

農文協から出版されているオランダ最新研究 環境制御のための植物生理という本で、ケイ素の話題がある。未解明の部分は多いが、ケイ素がもたらす良い効果が紹介されている。例えば、レタスがケイ素を吸収し体内で利用することで、マンガンの毒性を緩和するというもの。マンガンは光合成にとって重要だけれども、活性酸素に関与する要素でもあるわけで、葉に局所的に蓄積されると毒性を生じる。牛糞で土作りをした時の弊害をまとめてみるとレタスがケイ素を吸収する事によって、葉内のマンガ...

 

石灰過剰の土壌で鉄剤を効かすの続き

石灰過剰の土壌で鉄剤を効かすまでの記事で、塩の溜まりやすいハウス内では鉄欠乏に陥りやすく、クエン酸による定期的な除塩は必要では?という内容を記載した。ただし、クエン酸は弱酸といえど、酸であるわけで、土壌の鉱物に何らかの影響を与える。であれば、除塩しつつ、鉱物の劣化を軽くする対策も合わせてしておきたい。なんて事を考えた時に頭に浮かんだ事が、2:1:1型の粘土鉱物である緑泥石だ。※左が一般的な2:1型の粘土鉱物で右がMg緑泥石緑泥石は上の図の右側の...

 

石灰過剰の土壌で鉄剤を効かす

前回の施設栽培で軽微な鉄欠乏の症状を見逃すなの記事で、タイトルにある通り、施設栽培での鉄欠乏の話題に触れた。明確な欠乏症があれば楽なのだけれども、鉄に限らず軽微な欠乏症というのは何かと厄介だ。特に微量要素と呼ばれるのは電子の運搬に関わっているので、軽微な欠乏であってもかなり厄介。施設は慢性的に鉄の欠乏症が発生するということで、この問題にどのように対処しているのか?を整理してみると、キレート鉄の施肥という技術で回避しているそうだ。キレート鉄の使いどころ水に溶解した鉄...

 

施設栽培で軽微な鉄欠乏の症状を見逃すな

トマトに限らず、施設内での栽培では鉄欠乏に陥りやすい。鉄は土壌中に大量にある成分であるはずなのに、何故鉄欠乏に陥りやすいのか?考えられる点は二点。鉄がいくら多いといえど、土を酷使している場合は、吸収できそうな鉄の絶対量が少なくなっている。もう一点は土壌の化学性の観点になる。施設は降雨が無いため、露地作と比較して、土が大量に水を得る機会が少ない。トマトであれば更に水を控えるという管理があるので、土が得られる水の量は更に少なくなる。降雨というものは偉大...

 

光ストレス緩和の為のフラボノイド

前回のアブシジン酸は根以外でも合成されているか?の記事で、アブシジン酸は根だけでなく、葉でも合成されるという内容を記載した。それに伴い、強い光量による光ストレスによってアブシジン酸が合成され気孔が閉じるということもあり得るわけだ。光量が多くても、土の保水性がしっかりしていて、根からの水の吸収が常に蒸散に追いつくといった状態があるわけで、光ストレスでの生産性のロスも加味する必要があると思った。この課題が挙がった時に頭に浮かんだ事として、植物が有害な紫外線から身を...

 

アブシジン酸は根以外でも合成されているか?

施設栽培におけるECの管理についてまでの記事で、根からの吸水と気孔の開閉を見てきた。今回のは再び気孔の開閉に関して触れる事にする。高温ストレスと気孔の開閉についてを考えるまでの記事で乾燥や高温といった植物にとって辛い環境になると根がアブシジン酸を合成して、それが葉に到達して気孔を閉じるという内容を記載してきた。どちらも葉からの急激な蒸散による脱水症状を避ける為の防御反応のようなものだ。これらの内容以外で、光ストレスにより気孔を閉じるというものを見かけた。 ...

 

トマト果実の割れを回避するために気孔の開閉を考える

前回のトマト果実の割れを回避するために葉のシンク強度を考えるの記事に引き続き、今回は葉の方の挙動である気孔の開閉について見ていくことにする。トマトの葉の裏側を顕微鏡でみると、Photohound - http://remf.dartmouth.edu/images/botanicalLeafSEM/source/16.htmlLicense on site: http://remf.dartmouth.edu/imagesindex.html この JPG ...

 

トマトの果実のヒビ割れ問題に触れてみる

(主に露地栽培で)トマトの果実のヒビ割れがある。これは果実の肥大期に大雨等で根から急速に吸水した時に果実に水が集まり、内側からの膨圧に耐えられるに果実が割れる現象だと言われている。割れた果実は糖濃度が下がってしまうため、割れる直前よりも美味しくなくなる。土作り有りきのトマト栽培で果実のヒビ割れは花落ちと同じレベルの難所になるだろうから整理しておいたい。ヒビが割れるという現象のみに注目すると、果皮が硬ければ内側からの膨圧に耐えられるわけで、果皮自体を丈夫にすればヒビ...

 

トマト栽培の土作り事情

トマト栽培で老化苗を定植したら微量要素の課題が付き纏うの記事で、トマト栽培で木を暴れさせずに収穫する工夫の一つに老化苗を定植するという内容を記載した。老化苗の定植が背景にあるのか?施設栽培に限らず、トマトの栽培では厄介な内容が付き纏う。その内容とは、トマト栽培の土耕において、土作りをほぼせずに株に負荷をかける栽培をするということ。確かに土の物理性を改善しなければ、発根量は減るわけで、発根量が減れば木が暴れるリスクは軽減される。ただ、物理性を改善しな...

 

トマト栽培で老化苗を定植したら微量要素の課題が付き纏う

栽培の中心にはいつも化学の記事を踏まえた内容になるが、農薬を使用せずに秀品率の向上を狙うには、徹底的に土壌環境を見続けなければならない。作物にとっての生育環境が良くなると、成長が早くなったり、収量が増したりする他、昆虫による食害や病気の感染がほとんどなくなったりと良いこと尽くめ。上記のような環境はすべての作物で言えると思いきや、トマトと、サツマイモで生産性が悪化した。トマトは木が暴れると言われるなかなか結実しない現象に陥り、サツマイモは発根量が増す...

 

トマトの花落ちを理解するために微量要素の観点を持ち出す

前回のトマトの花落ちを器官離脱と捉えれば見えてくるものがあるかもしれないの記事で、トマトの施設栽培について見始める事にするという旨を記載した。施設栽培で最初に目を付ける箇所として、花落ちの現象を選んだ。花落ちは茎から発生した花の器官の根元で、上の写真のような離層が形成して、安全に花の器官を落とす現象を指す。離層は興味深くて、最初に葉や花の器官から養分を転流し、維管束を封じ、茎と葉や花の器官の付け根にカルスのような堅い細胞を形成し、菌が株内に侵入できるような...

 

トマトの花落ちを器官離脱と捉えれば見えてくるものがあるかもしれない

知人から久しぶりに連絡があって、トマトの施設栽培の話題になった。施設栽培と聞いてイメージするのが、上の写真のように、環境を制御して、安定的にトマトを収穫することなのだけれども、私はこの手の栽培はまったく経験がない。生化学が分かれば、見えてくるものがあるのでは?という話題になったので、せっかく話題として挙がったし、施設栽培について調べてみようかなと。トマトの施設栽培で思い浮かべるのが、青枯病で土耕を諦めたという事が一番最初に挙がる。青枯病は全く効...

 

降雨時の水の逃げ道に住む草たち

上の写真は小川のように見えるけれども、雨の日の翌日に水の逃げ道として出来ている場所。晴れの日が数日続くと、ここは靴で普通に歩ける場所になっている。反対側を見ると、写真の上部に細かい砂や泥が堆積している場所がある。降雨直前であればおそらくここにも水が流れていて、ちょっと高台なので比較的早くに水が引く場所なのだろう。一つ上の写真に戻って、写真上部の場所が高台なので、撮影時では上の写真の矢印のように迂回して水が流れている。再び砂や泥が...

 

ミミズは耕盤層に移動し、層でミミズ孔を形成するか?

前回の菌は耕盤層を破壊して、物理性の改善に関与するのか?の記事で、某所で提唱されている菌耕について見ることにした。又聞きではあるが、提唱されている内容に無理があるなと思いつつ、実践者がいる以上、何らかの変化があるわけで無碍にはできないと判断し、菌耕から得られる知見はないかと模索してみた。菌根で狙っている効果は団粒構造の形成、あわよくば耕盤層の破壊による排水性の向上だ。※耕盤層は一般的に地表から30〜50cmくらいにある上から圧をかけられて固くなった層を指す。トラクタで頻繁に耕起さ...

 

フキノトウの天ぷらを食べた

先日、フキノトウの天ぷらを食べた。フキノトウは苦味が強いが、何故か美味いと感じる不思議な味がする。動物において苦味は中毒死を回避する防衛本能のようなものだけれども、フキノトウの天ぷらはもう少し食べたいと思った。ネズミがドングリを食すこの苦味は一体何なのだろう?フキはキク科フキ属に属する多年草の草本植物になる。フキ - Wikipediaフキノトウはトウ(新芽のよなもの)であるため、ビタミンやミネラルが豊富に含まれている。他におそらく自身...

 

田の端の草がこんもりしているところを見て

前回のレンゲ米栽培の田の冬の端の様子の記事で、レンゲを育てている田の端に単子葉の草がこんもりしている箇所があるという内容を記載した。おそらくだけれども、田の端、特に入水と出水の箇所がある場所の付近に養分が溜まりやすい場所があるのだろう。しかもこの箇所に溜まりやすい養分は効きのはやい水溶性の成分だろう。水溶性の成分がおおければ、こんもりした見た目に対して発根量は少ないはず。植物ホルモンから再び牛糞堆肥による土作りの価値を問うこのこんもりした草を見た時にふと頭に浮かん...

 

家畜糞による土作りの土から収穫した野菜の摂取は健康に繋がるか?

硝酸イオンの人体への影響を知りたいの続きまでの記事で、人が硝酸イオン(実際には硝酸か硝酸塩の形)を摂取した場合、体内でどのような反応があるのか?を見てきた。※硝酸イオンは人体内で合成されるため、摂取したものがどれ程の影響を与えるのか?は不明次に作物に硝酸(硝酸態窒素と呼ばれる)を過剰に与えた時の影響に触れる。家畜糞を熟成させればさせる程、硝酸態窒素の濃度が増えると言われている。これはタンパクを分解した時の最終産物が硝酸といういうことであって、家畜糞も有機質肥料の一...

 

幼木が冬の寒い風に当たる

よく通る道の街路樹のところの隙間にエノコロの小さな群生があるのだけれども、そこの若い木が生えている。ブナ科のクヌギのように見えるけれども、実際のところ何の木なのだろう?この木をよくよく見てみると、葉の先端の色がオレンジっぽく、下の葉に若干の緑が残っている。栽培におけるこのような葉の色の抜け方はマグネシウム欠乏(葉が黄色で、葉脈部分に緑が残る)だと判断するけれども、マグネシウム欠乏は移行性が強く、下位葉に症状が出やすい。苦土と書い...

 

森林生態系の物質循環の続き

前回の森林生態系の物質循環の記事で森林における窒素とリン酸の循環についてを触れた。森林の生態系の制御要因(ある要素によって森林全体の生産性が制御されている)が水と窒素(とリン酸も含むかも)だと考えられている事を知り、ふと頭に浮かんだことがある。牛糞堆肥による土作りを勧めてくる方の腕は確かか?森の土に一次発酵以降の家畜糞を撒いたら森林の生産性は向上するのだろうか?発酵鶏糞ができるまで3:一次発酵編家畜糞の熟成が進む程、硝酸塩等の無機窒素の量が増え、有機態...

 

収穫後の田のひこばえを見て、稲作の未来を考える

地域の中では比較的早めに刈り取られた田で、ひこばえが発生していた。ひこばえが獣を引き寄せるひこばえは作中の施肥が過剰であったため、肥料の使い方に無駄があってダメだ。という意見を度々見かける。施肥が過剰であるため、作中のイネに対しても過剰であった可能性があり、食味を落とすという意見すらある。このひこばえに関しての内容でふと違和感を感じた。観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうですの記事でも触れたが、常に水を張り続ける水田において...

 

風よけとしてのソルゴー

ネギの畑で数畝に一回の間隔で緑肥のソルゴーを植えているところがあった。ソルゴーは土壌の余分な成分の吸収を目的として栽培することが多いが、数畝毎のソルゴーは強風対策の風よけや部分的な排水性の向上にも役立つ可能性がある。遠くからこの畑を見た時に、ソルゴーの上の方がオレンジ色なのが気になった。これは蕊か。オレンジ色はカロテノイドで、暑い時期に開花対策か?健康的に生きる上でカロテノイドが大事だから蓄積するのだろうもう一つ気になったのが、緑肥は開花直前で...

 

基肥のリン酸が発根促進であるならば

前回の基肥のリン酸が発根促進である理由を考えてみるの記事で肥料成分のリン酸が発根を促進する理由を考えてみた。発根を促進すると考えられているイノシンが光合成産物であるブドウ糖をリン酸化した後にいくつか反応を経ることで合成されることだと当たりを付けて終了した。イノシンがイノシン酸という核酸からリン酸基が外れ、水酸基が付与されることで合成されるわけで、発根促進剤としてよく見聞きする核酸も有効である可能性が高い。ここで一つ頭に浮かんだ記事がある。それは、栽培と枯草菌の記事で、枯草...

 

ケイ酸苦土肥料から稲作を模索する

肥料の製造元と面識がないので、肥料名は控えるが、ケイ酸肥料で有名なものにケイ酸苦土というものがある。保証成分は苦土が25%近くと多量に含んでいる。ケイ酸肥料で他に有名なもので、珪藻土由来のケイ酸カルシウムというものがあるけれども、カルシウムはできれば入れたくないので、ケイ酸苦土の方が何かと有り難い。カルシウム過剰によるカルシウム欠乏前回の猛暑日が多い中で中干しの意義を再検討するの記事で稲作にケイ酸が良いという内容を記載したけれども、今までの記事からケイ酸を含んでいれば...

 

開花させることが前提のレンゲを栽培する時に注意すべきこと再び

維管束とオーキシンと発根までの記事を経て、開花させることが前提のレンゲを栽培する時に注意すべきことを見ることにしよう。エルドンさんによる写真ACからの写真稲作前のレンゲ栽培で意識したいこととして、ミツバチ等の昆虫が花蜜と一緒に花粉を持っていってしまうことを記載した。この記事中で稲作時の川水の入水でミネラルが入るかもということを記載したが、調べていく中で、整備された用水路からの入水ではミネラル(主に亜鉛)は期待できそうにないことがわかった。 ...

 

光合成の質を高める為に川からの恩恵を活用したい

前回の亜鉛欠乏と植物のオートファジーの記事で、植物のオートファジーのきっかけとして、再利用性の高い要素が欠乏した際に行われている事に触れ、亜鉛欠乏について触れた。亜鉛といえば、秀品率向上の新たな課題は亜鉛をどう加えるか?の記事で触れた通り、欠乏しやすい要素として扱われている。栽培で亜鉛を供給するにはどうすれば良いか?を考えてみると、肥料以外ですぐに思いつくのが、川の水を畑に入れること。この視点で検索してみたところ、河川から検出される全亜鉛の由来に関する研究 -河川...

 

師管の働きと圧流説

前回の植物体内でのシンクとソースの記事までで、サイトカイニンによる養分転流でシンク強度の増加から維管束の師管の話に移った。シンク - ソースと師管の話で養分を送り出す器官(上の図で葉)のソースと養分を受け取る器官(上の図で果実)のシンクがあった場合、ソースの方が養分濃度が濃く、いくらシンク強度を増強したとしても、相対的にシンクの方が濃度が薄くなるため、師管は想定通りに動いてくれないはず。この師管による養分転流はどのように考えられているのだろう?ということで整理してみることにした。...

 

レンゲ米の水田からイネの生長を考える

レンゲ米の水田に集まる昆虫たちまでの記事でも記載しているが、ほぼ毎日、レンゲ米の水田を様子を見ている。知人といえ人様の畑であるので厳密な観測ではなく、本当に様子見程度。レンゲ米の水田のことを知るために、周辺で田植えの前に土が悪いであろうなという箇所をいくつかピックアップしておいて、その水田の様子も合わせて見ている。おそらく施肥設計はほぼ一緒で、大きな違いはレンゲで土作りをしているかどうか※レンゲで土作りをしているので、土作りに用いた肥料に違いは生じるそんな中で最近顕著...

 

免疫の向上の要は亜鉛かもしれない

抗体こと免疫グロブリンの産生にとって何が重要か?までの記事で、免疫の向上に最重要な要素は亜鉛である可能性が非常に高いことがわかった。合わせて、免疫を高める為に出来ることは何だろう?の記事で触れた内容で、人体において慢性的に亜鉛が欠乏しているとのこと。亜鉛が豊富に含まれていそうな食材を連想すると、海産物と豆がふと頭に浮かぶが、それと同時に畑作を続けることは難しいと海洋では窒素、リン酸や鉄が不足しているらしいの記事も同時に頭に浮かんだ。作物栽培での亜鉛欠乏について再び確認してみよ...

 

肥料の選定に迷ったら開発の話を確認しよう

2つの葉面散布剤があり、どちらを利用すれば良いかわからないとする。例えば一つが、Fvasconcellos - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, リンクによるアミノレブリン酸というアミノ酸を主成分とするアミノ酸肥料がある。アミノレブリン酸 - Wikipeida(画像:5-アミノレブリン酸の農業利用に関する技術開発 Regulation of Plant Growth & Development Vol. 40, No. 1 22-29, 2005の28ページよ...

 

クエン酸による食味の向上は安易に用いて良いものか?の続き

クエン酸による食味の向上は安易に用いて良いものか?の記事で、クエン酸や酢酸の土壌への散布は根酸と同じような働きだと見立てて、土壌の鉱物からミネラル(肥料では微量要素と呼ばれる)の溶脱を起こし、養分を根に積極的に吸収しているはずだと記載した。ここで合わせて土壌の鉱物は有限ではなく、過酷な栽培を続けていると当然劣化するので、栽培時のクエン酸散布が食味の向上等に繋がるからといって安易に行って良いものだろうか?と問題提示した。ここでもう一点別の視点から話を続けてみる。畑の土の土壌鉱物...

 

クエン酸による食味の向上は安易に用いて良いものか?

栽培中の作物にクエン酸溶液を散布すると発根促進や食味の向上に効果があるのか?という話題になった。おそらく上記の効果はあるのだろうけれども、この話に関して懸念していることがあるのでそれも合わせて触れることにしよう。合わせて、最近時々見聞きするとある農法で話題に挙がる酢酸の散布も合わせてみていく事にしよう。先にクエン酸と酢酸の共通点に触れておくと、どちらもブドウ糖(グルコース)を代謝している時に出てくる低分子の有機酸だ。有機酸の中では比較的に酸度が強いものになる。クエ...

 

秀品率向上の新たな課題は亜鉛をどう加えるか?

バークの下の落ち葉たち先日、ミカンの木の下で白い綺麗な細根がどうやって出来るか?が話題になった。色々と試したこととその結果の話題が続いたが、ふと重要な事に気が付いた。発根促進の一例で、乳酸菌は植物の発根を促進するか?の記事で発根に関するオーキシンは亜鉛と一緒になって効果を発揮するという話題があった。この内容に従って、ミカンの木の下に視点を戻すと、オーキシンやそれ以外の有機酸の条件は満たしているけれども、亜鉛はどうなんだろう?と話題を振ってみると、微量要素も検知する土壌...

 

ナタネ油かすに含まれる脂肪酸は何か?

椰子の実の脂肪酸と菌根菌採油し終わった粕に実に含まれていた脂肪酸等が粕に残ったと仮定して、ヤシガラにはラウリン酸という菌根菌の増殖に関与した脂肪酸があったとする。野菜の美味しさとは何だろう?食味の向上上記の仮定がナタネ油かす、ダイズ油かすやゴマ油かすでも同様に言えるとしたら、これらの油かすの有機質肥料はヤシガラ同様に菌根菌の増殖に関与するのだろうか?上記の油粕に比較的中鎖の飽和脂肪酸があるか?このことを知りたいと検索をしたら、公益財団法人 日本油脂検査協会...

 

野菜の美味しさとは何だろう?亜鉛

食材中の亜鉛と聞くと、思い浮かぶのが、欠乏すると味覚障害になるだろう。生物学をかじったことがある人であればジンクフィンガーでタンパク質の合成に関わるというものもあるはず。先生に覚えておけと言われたジンクフィンガーを私はまだ忘れていませんどうやら味を感知する味蕾細胞というものは新陳代謝が活発で、短い期間で新しい味蕾細胞に入れ替わる為、亜鉛が不足すると味蕾細胞の生成に支障をきたし、味覚障害となるらしい。亜鉛 | ミネラル(無機質) | 栄養成分百科 | グリコ野菜の美味しさとは何だろ...

 

野菜の美味しさとは何だろう?カリウム

露地、ハウスに限らずカリウムが不足しているという症状を頻繁に見かける。不調の畑でカリウムの追肥を多めにしてみてはというだけで幾分問題が軽減されるのがその証拠。最初に疑えというぐらいカリウムは大事農学を学ぶ際によく言われることとしてカリウムは土壌や川から引いた水に豊富に含まれているから欠乏しにくいということがあるけれども、あそこの畑がカリ不足それはあくまで土を大切に労った方の畑での話のはずで、感と経験の名の元に隣の畑が良かったからうちもそれをするの方針では、おそ...

 

野菜の美味しさとは何だろう?ポリアミン

HiCさんによる写真ACからの写真前回の野菜の美味しさとは何だろう?オルニチンの記事で、だだちゃ豆に豊富に含まれている旨味成分であるオルニチンについて触れた。前回の内容でのオルニチンは、有害なアンモニアを尿素回路を経て、害が少ない尿素へと変わる反応の際に利用されることを見た。今回は植物体内で他にないか?ということで追加で検索してみた際に見つけた内容を紹介する。草野 友延 植物におけるポリアミン研究の現状 Regulation of Plant Gr...

 

野菜の美味しさとは何だろう?オルニチン

HiCさんによる写真ACからの写真前回の野菜の美味しさとは何だろう?GABAのことの記事で、美味しい枝豆ことだだちゃ豆の特徴の一つにGABAの多さがあった。他に目立った特徴として旨味の成分であるオルニチンも多かった。By NEUROtiker - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Linkオルニチンといえば、ガイムさんによる写真ACからの写真シジミに多く含まれる旨味成分ということで有名だ。人がオルニチンを摂取すると美味いと...

 

野菜の美味しさとは何だろう?

随分前の話で写真がないので、文章のみになってしまうのだが、栽培の師の畑で魔法のような現象を見た。栽培の中心にはいつも化学農薬を使用しないで栽培していた師の畑で最も環境が良かった土壌で、夏に畝を立て、ダイコンのタネを直播して栽培を開始した。元肥は米ぬかボカシ肥のみだった。米ぬかボカシを作ろう!仕込んでみる!他の畑と比較して、はやい成長ですぐに間引き菜としての収穫を開始した。間引きが一通り終わった後、嫌気性米ぬかボカシ肥を一回追肥として与え、そのまま成長を...

 

シデロフォアから見る鉄不足に陥るところ

先日の土壌微生物とケイ素の記事でシデロフォアについて触れたけれども、この時表記したリンク先にとある文章があった。その文章を抜粋すると、/****************************************************************/一般的に土壌中の鉄濃度は植物成長の要求量以上であるが、石灰質土壌の場合にはその高いpHにより鉄が不溶性の水酸化鉄となり、植物の鉄不足が現れる。/*********************************...

 

植物はカルシウムを使って体を丈夫にする

二酸化炭素濃縮後の有機酸は光合成以外でも使用されるか?植物の体が硬く直立するためには、各細胞毎に細胞壁と呼ばれる構造を持っていて、細胞壁はセルロース、ヘミセルロース、ペクチンとリグニンが必要とされる。リグニン合成と関与する多くの金属たちセルロースというのは、光合成産物であるグルコースがβ1-6結合と呼ばれる方法で繋がった多糖となる。糖の万能性ヘミセルロースというのは、セルロースと異なり、ヘミセルロースという名前の物質はなく、キシログルカン、キシラン、グルカンやマン...

 

乳酸菌は植物の発根を促進するか?

昨日、これ読んどいてと渡されたとある学会から発行された読み物を読んでいたところ、乳酸菌が合成するL-β-フェニル乳酸が作物の発根を促進するという内容が記載されていた。フェニル乳酸という名前から表現が正しいか?は自身はないが、By Bryan Derksen - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Linkベンゼン - Wikipedia芳香族(ベンゼン環を持つ)の乳酸ということになるだろうか?防御の基礎は芳香族のアミノ酸にありみんな大好き、乳酸...

 

二価鉄を求めて-後編

二価鉄を求めて-前編-で鉱泉から含鉄(Ⅱ)の水質は山の岩石に因ることがわかるという内容を記載した。山の岩石という内容で挙げておきたいのが、かんらん石、輝石や角閃石といった有色鉱物だろう。これらの鉱物には鉄やマグネシウムを含むだけでなく、他の様々な微量要素を含む鉱物もある。その中でも更に取り上げたいのが、かんらん石だ。かんらん石といえば、今まで苦土とケイ酸の話題として挙げた。栽培にとっての苦土の基のかんらん石植物はどのようにしてシリカを吸...

 

二価鉄を求めて-前編

重要だけど扱いにくいものでもある二価鉄前回までの記事までで、植物の光合成では多量な二価鉄を必要としていて、植物は二価鉄を得る為に光合成産物の一部を使用して調達するということを記載した。二価鉄は過剰症になりやすいということも記載した。二価鉄と言えば思い出すのが、岐阜県の飛騨小坂にある巌立峡(がんだてきょう)だろう。飛騨小坂の巌立峡巌立峡とは火山の噴火により形成された溶岩流が川の風化作用によって削られてできた渓谷で、現在も溶岩流...

 

重要だけど扱いにくいものでもある二価鉄

光合成の明反応-後編までの記事で、植物は太陽光を受光することで光合成を行うわけだけれども、その光合成という反応において最も注目されているのが電子の移動であって、その電子の移動には多くの鉄(特に二価鉄)が必要とされることがわかった。※実際には鉄を含むタンパク質鉄はFe2+とFe3+の状態をとり、二価鉄は前者のFe2+の方を指す。プラスが一つ少ない、つまりは電子e-が一つ多い。鉄は電子を受け取りやすく離しやすいという特徴があるため、鉄は電子の運搬に関わる。電子を受け取...

 

光合成の明反応-後編

光合成の明反応-前編前回、光合成の明反応の詳細を見て、水から電子を取り出して、その電子の動きを見つつ、各所で動いている物質のことを見た。とはいっても、すべてを見たわけではないので、今回は残りを見ていく。はじめに図の中央にあるシトクロムb6fを見ると、この個所はシトクロムがたくさんある場所で、シトクロムというのは、酸化還元機能を持つヘム鉄を含有するヘムタンパク質である。シトクロム - WikipediaヘムはBy NEUROtiker - 投稿者自身によ...

 

光合成の明反応-前編

先日の畑作を続けることは難しいという記事の前編と後編で、畑作を続けることで起こりうる秀品率の低下を光合成の生産量の低下と免疫の低下の2つの要素に分け、後者の免疫(防御も含む)の方を触れた。免疫や防御は芳香族のアミノ酸が重要な要素になっていて、芳香族のアミノ酸を活用する為にいくつかの金属酵素を挙げた。この時挙げた金属酵素は、あまりに微量なため、施肥時に気にすることはないけれども、土壌にある量は地質に大きく依存しているため、場所によってはやくになくなるのでは?ということを記載した。 ...


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