石灰を海に投入するという取り組みまでの温暖化に関する記事を踏まえた上で、
再び牡蠣の養殖の話題に戻そう。
昔は牡蠣養殖に人糞を使っていた!? | オイスターネットという料理人の方のブログに、噂話の域ではあるがという注釈付きで、戦前の牡蠣の養殖では人糞がまかれていたという内容が記載されている。
牡蠣の養殖で人糞が使われていることが新聞に掲載されたことによって人糞の利用を止めたとありますが、その元ネタの新聞記事が見当たらないので、確証は低いという前提で話を進めると、
人糞を利用していたのは、植物プランクトンを増やすことが理由であるみたいだ。
これは滋賀県のニゴロブナの養殖と同じことをしている。
牡蠣の養殖に鶏糞というのはイメージ的にちょっと…ということがあるが、
海の植物プランクトンを増やす為に窒素やリンが豊富な鶏糞というのは有効なのだろうなと。
(主に産卵鶏の)鶏糞には炭酸石灰も豊富に含まれるので、前回の話にも繋がっていく。
人為的に何らかの施しをしたら、想定していないことが起こるのは世の常で、海岸沿いで富栄養化したらどうなるのだろう?と考えてみた。
誠文堂新光社から出版されているネイチャーウォッチングガイドブック 海藻という本のトピックで、緑潮(グリーンタイド)という現象を紹介していた。
アオサ類の海藻が海岸沿いで異常に繁殖する現象をグリーンタイドと呼ぶらしく、
By Kristian Peters -- Fabelfroh 08:32, 12 December 2006 (UTC) - 自ら撮影, CC 表示-継承 3.0, Link
奥に見えている緑の個所が白い砂浜を覆ってしまうイメージの現象で、景観悪化や悪臭で沿岸域で悪影響を及ぼしている。
この原因はおそらく海水の富栄養化によるものだろうと推測されているが、明確な理由はまだわからないらしい。
海藻がもたらす環境問題−グリーンタイドの発生と構成種の特徴− (2010年度 29巻6号)|国環研ニュース 29巻|国立環境研究所によると、
グリーンタイドによってアサリなどの貝類の死滅等の問題もあるらしい。
藻類の光合成を活発化した時の代償は大きいな。
グリーンタイドの発生を加味すると人為的に何らかの対策を行うのは難しいなと感じてしまう。
海洋まで鶏糞を持っていくとなると、燃料かかる割に消費できる量が少ないので、それはそれで難しい。
とりあえず、
広島の海岸で牡蠣の養殖を見て思ったことはこれにて終了とする。
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