カブトムシたちが好む樹液とは?の続き。
昆虫たちが集まりやすい樹液というのは一体何なのか?を知るには、昆虫たちが全く集まらない樹液を知ることが近道だと思い、集まらない樹液を思い浮かべてみたところ、
サクラの木のサクラゴムが頭に浮かんだ。
ただ、サクラゴムだと知見が少なそうだから、他に何かないか?と思い浮かべてみたところ、
Gixie - http://www.wikirestauro.it, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
アラビアガムというものがあったなということを思い出した。
※写真素材でアラビアガムノキの無料素材がなかったため、イメージとしてアカシアの写真を掲載する
アラビアガム(アラビアゴム)というのは、マメ科ネムノキ亜科アカシア属アラビアゴムノキ、またはその同属近縁植物の樹皮の傷口からの分泌物を乾燥させたものを指し、今回の本題にマッチする。
アラビアガムノキから得られた樹液の成分について検索をしてみると、井戸隆雄等 アラビノガラクタンの構造と機能および応用 アラビアガムの特性とその利用 - 応用糖質科学 第1巻 第3号 (2011)にたどり着いた。
上記の内容を読む限り、地域差はあるが、樹液に粘性のある多糖類が主で、タンパク質が少量といった構成になるらしい。
これらの多糖類はカルシウムと結合する事によって粘性や弾力を得る事になる。
上記の内容を加味すると、
昆虫が集まる木の樹液には多糖類少なめでタンパク質多めで、樹皮が損傷した後に滲み出る樹液に粘性が無いため、なかなか穴が塞がらないという事になるわけだけれども、なぜクヌギ等の昆虫の集まりやすい木は樹液に優れた修復能力を持たせていないのだろう?という疑問が生じる。
植物系統図において、マメ科とブナ科は比較的近いところに位置しているわけで、ブナ科の誕生が早く、まだ樹液による修復能力を獲得してないといったことはないだろう。
※長谷部光泰 陸上植物の系統 - 基礎生物学研究所
樹液の構成成分の違いは成長の早さの違いにあったりするのかな?