カロテノイド生合成阻害の除草剤を見るまでの記事で様々な視点からカロテノイドを見てきて、カロテノイドは植物動物問わず抗酸化作用に関わるので重要という内容を何度も触れた。
このカロテノイドだけれども、植物では更に見るべき内容があり、その内容とはカロテノイドが植物ホルモンの前駆体になっているということ。
例えば、
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トウモロコシの黄色の色素の時に見たゼオキサンチンの先にある
JaGa; Yikrazuul - self-made using BKChem and Inkscape, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
ビオラキサンチンというカロテノイドがあるが、何らかのストレスに晒されると、折り曲げたり切断したりして、
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キサントキシンになり、更に脱水素や酸化を経て、
Jü - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, リンクによる
植物ホルモンのアブシジン酸になる。
※講談社 新しい植物ホルモンの科学 第3版の61ページを参考
アブシジン酸も大事だけれども、栽培者が意識をしていて損がないのが、
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β-カロテンを折り曲げたり切断してできる
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ストリゴラクトンという植物ホルモンがある。
※植物種によってストリゴラクトンの構造は異なり、機能も異なる可能性がある。
ストリゴラクトンから様々な機能が発見されているが、栽培をしている者にとって意識しておくべき機能として、主根伸長の促進、形成層発達の制御やアーバスキュラー菌根菌との共生シグナルがある。
主根伸長と形成層発達はこれから増えるであろう台風の被害の軽減に対して有効であるし、菌根菌は秀品率に大きく関わる。
作物と菌根菌の共生は微量要素の吸収効率も高まるとされているので、秀品率向上の新たな課題は亜鉛をどう加えるか?で記載した課題の突破にもカロテノイドが関与していることがわかる。
そうなると栽培時に何を意識すればカロテノイドが増えるのか?が次の疑問として生じるけれども、カロテノイドの働きから光合成をとにかく高める事に務めるのが大事なのかなと。
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