カロテノイドの理解を深める為には、カロテノイドに関わるものを網羅的に触れることが大事であるはず。
身近でカロテノイドが豊富に含まれているのが、
鮭の切り身で見られる赤い色素だったりする。
この赤い色素は、
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アスタキサンチンと呼ばれる色素であるらしい。
アスタキサンチンは鮭が自身で合成するわけではなく、微細藻類で淡水生の緑藻であるヘマトコッカスが合成したアスタキサンチンを鮭が摂取して体内に蓄積させている。
ヘマトコッカスは緑藻であるので、普段は緑色に見えるらしいが、ストレス環境に晒されると赤色になる。
※黒柳正典著 人の暮らしを変えた植物の化学戦略 香り・味・色・薬効 - 築地書館 185ページを参考にして記載
アスタキサンチンで検索すると、様々な健康効果を呈するということで、健康に関する情報がすぐに見つかるが、ここでは健康効果は端折る事にして、鮭についての小話を進める。
小さい頃から何かと鮭には縁があって、鮭が泳いでいるところを何度か見た。
印象に残った話として、鮭の雌は産卵の際に卵に色素を移すので、産卵後の鮭の切り身は白になるというもの。
イクラの鮮やかな濃い橙色はアスタキサンチンに因るもので、
鶏の卵同様、カロテノイドが親から子への贈り物となっている。
余談だけれども、
カニの赤っぽい色もアスタキサンチンに因るものだそうだ。
写真のサワガニの赤がこの色素に因るものかは調べてないけれども…