常緑木と落葉木の記事でブナ科を介して落葉性についての理解が深まった。
ブナ科の木々では常緑木が多い印象があるけれども、コナラ属コナラ亜属に分類されるコナラやクヌギに落葉性がある。
※他にブナ属、クリ属に分類される木に落葉性がある
落葉性のある葉の特徴として、葉の表面で光沢(クチクラ層)が少なく、葉は薄く広いという特徴がある。
これらの特徴により、光合成量は増すが、紫外線の受光の増加や光合成自体から発生する活性酸素によって老化がはやまり、光合成が不利になる晩秋に葉の維持コスト削減の為に落葉しているはず。
光合成量を高めてたくさん光合成をするが、晩秋に落葉する方が良いのか?
クチクラ層を作り込んで光合成は抑えるけれども、葉の寿命を伸ばすのが良いのか?
森の木々の遷移から見るに最終的には後者の木が生き残る為、長い目で見れば後者の木(陰樹)の方が有利なのかな?と思うけれども、前者(陽樹)の木のように成長が速いということは世代交代を行う機会が増えることで環境の適応能力が高い事になり有利かな?と思うこともある。
このまま世界的に温暖化が進むことで、どちらの特徴が有利になるのだろう?というのが最近の興味だったりする。
という話を踏まえた上で、
人工的にコナラがたくさん植わっているところに行ってきた。
コナラはコナラ属コナラ亜属に分類される落葉性のある木で、
※コナラ属には他にアカガシ亜属があるが、こちらは常緑性
所々で上の写真のように緑色が薄くなっている葉があった。
ここでふと疑問に思ったけれども、落葉性のブナ科の木は紅葉するのだろうか?
コナラ属にはアカガシ亜属(シラカシ等)があり、こちらは常緑性を示し、近縁に常緑性と落葉性があるということは、進化の長い歴史において、ブナ科においての落葉性の分岐はコナラ属にあるとすると、この境には光合成の質を向上する為の葉の形状の変化があり、新たな色素の合成まではないような気がする。
今までマジマジと特定の木の葉の色の変化を見てきたことがないので、コナラの落葉について注目してみることにする。