植物における脂肪酸の役割の記事で、施設栽培でのトマトの株に緑の香りを与えたところ、高温ストレスが緩和され、花落ちが軽減されたという画期的な研究報告を紹介した。

紹介の際に高温ストレスの緩和についての詳細が記載されていないと記載したが、日本バイオスティミュラント協議会 第3回講演会「温暖化による農作物への影響とその対策」 レポート (後編) | カルチべ取材班 現場参上 | カルチベ – 農耕と園藝ONLINEのページで、高温ストレスの緩和についての詳細が記載されていた。


トマトの株が緑の香りことヘキサナール(青葉アルコール)を吸収すると、熱ショックタンパク質(HSP)の合成が誘導される。

本来であれば、徐々に暑いことに慣れていくことでHSPの合成は活発化するが、ヘキサナールは同様の作用がある。


熱ショックタンパク質は体内で新規に合成された新生タンパクが不安定でちょっとしたストレスで変性してしまうことに対して、分子シャペロンとして安定度を増して正常に働くようにする為に役に立つ。

酵母とトレハロース


おそらくだけれども、光合成に関与するタンパクが高温による変性を避ける事が出来、光合成を続け、根から水を吸い上げ続け、葉温を下げているのだろう。

葉温が下がれば、活性酸素の発生もおそらく抑制されるだろうから、アブシジン酸の合成も抑えられ、結果として気孔は閉じず、花落ちも軽減される。

トマトの花落ちを理解するために微量要素の観点を持ち出す


この報告で更に興味深いのが、トマトを栽培している施設内の温度が3℃程下がっている点だ。

これは葉の裏の蒸散の気化熱により熱が逃げていることが要因であるらしい。


温度が下がる時に湿度が上がるから、施設内の湿度をうまく下げる仕組みがあれば、安価でできる温度に関する好循環が発生するかもね。

日本の夏の施設栽培の多湿対策


関連記事

トマトにケイ素を施用した時の効果を考えてみる