有機栽培で使える可溶性ケイ酸は何処にある?までの記事でトマト栽培とケイ素の話題を記載してきた。
キュウリでの話であったが、ケイ素を吸収することで、葉内のマンガンの分布が均一化する事がトマトでも同様の事が言えるならば、これは相当凄いことになる。
葉でマンガンが均一化していないということは、葉で局所的にマンガンが過剰になっている細胞と、逆の欠乏になっている細胞がある事になる。
順は逆になるが、マンガンが欠乏している細胞では光合成の最初の反応である水から電子を取り出す事がうまくいかずに光合成の質が落ちる。
マンガンが過剰である細胞では、鉄程ではないがマンガンからのこぼれ電子により活性酸素が発生する。
こぼれ電子により、葉緑体内で過剰な活性酸素が発生する。
過剰な活性酸素は葉内の部分的な壊死の原因になるので葉が萎縮する。
※適切な活性酸素の発生量であれば、成長にとって良い影響である可能性が高い。
活性酸素の影響を抑えるために、鎮静系の酵素やグルタチオンを要する事になる。
光合成とグルタチオンの記事で、グルタチオンを施用したら光合成産物の移動量も増えた研究結果があるという事を記載したが、葉内のマンガンの均等化でも同様の現象に成る可能性がある。
であれば、
トマト栽培で木をいじめるという技術を整理するの記事で触れたような木をいじめなくても、ケイ素を適切に施用できたら果実内の養分の濃縮に繋がるのではないだろうか?
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