ネットショップのCMSの開発や導入支援をしていて、時々質問される事があるのです。

それは、

今まで関わったショップサイトの中で大成功しているサイトってどんなサイト?

というもの。


ネットショップを開設したサイトの大半はなかなか売上が上がらなかったり、

数年運営したけど閉店したということもありました。


受注量が半端無くてサーバを引っ越したり、

受注量に追いつかなくて販売数を制限するような

いわゆる成功したサイトというものにも出会います。


このようなサイトの運営者にはいくつか共通点があって、

成功したサイトの質問を受けた時、運営者の共通点について話をすることが多いです。




とあるサイトの構築の時の話です。

運営者があれこれとショップの要望を挙げるのですが、

他のサイトの方と大きな違いがあって、


要望を挙げる度に、

・この機能は他のショップサイトでも使えそうですか?

ということを質問してきます。


他サイトで使えないのであればその要望は却下し

他サイトで使えそうであれば、見積りに加えておいて下さいと言います。


これは運営してから知ったのですが、

この他サイトで使用できる機能であるかを判断基準に入れることはとても重要な事で、


他サイトで使える → 汎用性が高い機能 → 標準化しやすい。


商売の規模拡大において、

拡大の一番の壁は人材の確保です。


普段の仕事が特殊であればある程、

新しく採用する人を見つけるコストは高くなり、

見つけたとしてもその人の人件費はとても高い。


逆に価値のある仕事から単純作業の部分を切り出して、

その単純作業を新人にやらせ、

若干残った複雑なものを慣れた人にやってもらう

というフローを作れば、


採用したい人を探すコストは大幅に下がるし、

採用にあたっての人件費も通常通り、もしくはパートで済む。


この発想をシステムの開発や運営に入れて置かなければ痛い目を見るということを直感的にわかっているみたいで、

複雑になりそうなシステムはSalesForce等の有償のサービスに任せ、

自社でもつショップサイトはできるだけシンプルにしておいた方が良い。




運営を開始してから、

注文が好調なため、時々機能追加の話があります。


その中で時々あるのが、

ブログ記事で○○という機能を開発したと書いてありますが、その機能を導入してもらうのに工賃はいくらかかりますか?

というもの。


販売において、販促活動をいくつか行いますが、

行った対策が必ず成果が上がることはなく、大半はぱっとしない結果になります。


それは売れているサイトでも一緒です。

いろんなマーケティング手法を勉強しても確度は上がれど成果が劇的に上がるわけではありません。


SOY Shopのようなオープンソースのシステムは様々なサイトに導入され、

様々なサイトから挙がった要望を元に開発が進められています。


開発が進められている。

それすなわち日々どこかのサイトの運営ノウハウを吸収しているわけで、

その他社の運営ノウハウを自社に取り込まないことは最大の損だと言うことで、

開発の動向を時々見ているらしいのです。


自社で使えると思ったら、

こちらに連絡してきてお金を出して速攻で実装する。

これでまた売上を上げるということをしていました。




話は戻って、

標準化できるような機能にしかお金を出さないに戻るけど、


実はこれは他社のノウハウを取り込む際にとても重要になっている。


何故かというと、

開発者に十分な収入がないと開発は続けられない。

それはセキュリティの話以上に他社のノウハウが蓄積出来ないことになるわけで、

それは自社サイトにとって致命的な話となる。


そこで導入したアプリで仕事がしやすいように、

そのアプリの価値が高まることに注力する。


そしてそのアプリが市場に出回る。

それがいつか返ってくる。


このためには標準化できる機能にのみ投資するのが一番賢いらしいのです。


普通は他サイトで使えそうな機能をなんで私がお金を出さなければならないのか?

なんて言われそうですが、

圧倒的に売れているサイトはそうすることで飛躍的に売上を上げる


もちろん、

販売で売れる要因はシステムではなく、商品の質や営業力がありますが、

こんな粋なことができるネットショップは

素晴らしい商品を扱っているだろうし、

営業力だってあるだろう。


これはどうみても失敗だろうなというところもあるけれど、

それは別に書かなくても良いだろう。


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