前回の新緑のサクラの木の周りをハナバチが飛び回るの記事で、ハナバチがサクラの花外蜜腺付近に口吻を刺しているところを紹介した。
ハナバチが花外蜜腺を利用しているか?はこの写真からでは確定できないけれども、ミツバチ研究の報告に花外蜜腺を利用しているという記述があったので、ハナバチは花外蜜腺を利用しているということで話を進める。
ここで一つ気になったことが、花外蜜腺を一つの花の器官と見立てた時、
葉が緑色の大きな花弁のような振る舞いをすることになる。
話はミツバチを中心にして進めるけれども、花とミツバチの共進化、花の色の記事で、ミツバチは無学習で青と黄の色の花を認識することができる。
それ以外の花、
例えば、レンゲ等は学習を要する。
※レンゲはピンクというイメージがあるが青に近い紫と言えなくもないので、もしかしたら学習を要さないかもしれない
ベレ出版から石井博著 花と昆虫のしたたかで素敵な関係 受粉にまつわる生態学という本に依ると、ミツバチは数ある訪花者の中で比較的視覚に頼るという傾向があるらしい。
※ミツバチの好む花に甘い香りという条件も合わせて記載されていたので、嗅覚にも頼っているはず。
これらを踏まえた上で、
改めて葉を見ると、花外蜜腺を利用するということ自体が相当凄いことなのでは?と思えてくる。
ミツバチであれば偵察バチが蜜源を探すけれども、サクラの葉の芳香成分であるクマリンとかに惹き寄せられて、葉の花外蜜源を発見するのかな?
クマリンはイモムシ等に葉を食害された際に合成されるものであるので、もし、ミツバチがクマリンに惹き付けられているとするのであれば、サクラの葉が食害を受けるということがトリガーになる。
もしくは巣作りの材料として、葉に立ち寄った際に花外蜜腺に気が付くのかな?