
吉草酸とイソ吉草酸までの記事で、化合物名にイソがつくものの特徴を見てきた。
この内容を踏まえた上で、どうしても触れておきたい内容がある。
それは、分枝鎖アミノ酸の一種である

イソロイシン(略号はIleかI)についてだ。
何故、イソロイシンが気になるのか?というと、分枝鎖アミノ酸には、

ロイシン(略号はLeuかL)があるからだ。
イソロイシンにはイソがあるので、単純に考えるとイソの要素である炭素骨格の分枝が多いのだろうと想像する。
ただ、両方の構造を俯瞰してみると、イソロイシンの方が特別分枝が多いというわけではない。
というわけで、もう少し丁寧に見ていくことにする。
ロイシンとイソロイシンはどちらも化学式がC6H13NO2の有機化合物だ。
何が違うかというと、炭素骨格の分枝の位置だ。
この位置がわかるのは、IUPAC系統名で見てみるとよく分かる。
※ ロイシンやイソロイシンは慣用名
ロイシンのIUPAC系統名は2-アミノ-4-メチルペンタン酸もしくは2-アミノ-4-メチル吉草酸でイソロイシンの方は2-アミノ-3-メチルペンタン酸もしくは2-アミノ-3-メチル吉草酸になり、アミノとメチルの間の数字、つまりはカルボキシ基(-COOH)から数えて何番目の箇所にメチル基(-CH3)があるかの違いのみとなっている。
もう少し細かいことと書くと、ロイシンの方はカルボキシ基と反対側の端にメチル基があり、

このような構造をイソブチル基と呼び、

sec-ブチル基と呼ぶ。
今回の内容に触れてみて、イソロイシンが腐るとどうなるのか?が気になった。




