
分枝鎖アミノ酸のロイシンとイソロイシンの記事で、分子鎖アミノ酸のイソロイシンについて何となくだけれども少し理解が進んだので、今回は更に理解を深める為に、イソロイシンが微生物の関与によってどのように形を変えていくのか?を見ていくことにする。
とりあえず、オカラが腐るというのはどういうことか?の続きの記事に記載されている内容を参考にして、脱アミノ化と脱炭酸を経てどうなるのか?を見ていくことにする。
先に脱アミノ化すると、

α-ケト-β-メチル吉草酸 | 化学物質情報 | J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター
カルボキシ基(-COOH、図の左側)の隣(αの位置の炭素)のアミノ基(-NH2)がケト基(=O)に置き換わりつつ、αの隣の炭素(β)のメチル基(-CH3)が残る。
炭素の数だけれども、全部で6あるが、βの位置のメチル基の数を除いて、炭素数が5になるので、炭素数5の脂肪酸である吉草酸として扱う。
これらの内容をすべてまとめると、イソロイシンが脱アミノ化して生成される化合物名はα-ケト-β-メチル吉草酸となる。
続いて、α-ケト-β-メチル吉草酸を脱炭酸すると、

2-メチルブタナール | 化学物質情報 | J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター
左端のカルボキシ基(-COOH)が二酸化炭素の形になって外れて、アルデヒド基(-CHO)になり、2-メチルブタナールというアルデヒドになる。
この2-メチルブタナールは還元されるか酸化されるかで特徴が変わるそうで、還元されると、

(R)-2-メチル-1-ブタノール | 化学物質情報 | J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター
2-メチルブタノールというアルコールになり、この化合物はお酒のフルーティーな香りの主成分になるそうだ。
一方、2-メチルブタナールが酸化されると、

2-メチル酪酸 | 化学物質情報 | J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター
2-メチル酪酸という短鎖脂肪酸(カルボン酸)になり、古い靴下のような強く不快な臭いの要因になるそうだ。
ロイシンとイソロイシンは名前は似ているが、腐るという過程で異なる化合物になるのは興味深い。




