褐色の味噌を見ていたら、これって土作りそのものじゃないか!とふと頭に浮かび、整理の為に投稿することにした。
白味噌はなぜ白い?の記事で味噌の褐色はメイラード反応に因るものだと紹介した。
メイラード反応といえば、砂糖を熱し続けた時に出来るカラメルや
焼き上がったパンのクラストカラー等がそれにあたり、高温により反応が促進されるというのが一般的だ。
これを前提知識として、私が知る限りの味噌の製造を見てみると、最初の大豆を蒸すという工程以降は容器に砕いた大豆を入れて空気を抜いて常温環境に1年程静置することで褐色の味噌が出来る。
静置の間、カラメルやパンといった高温の時期が一度もないにも関わらず、味噌はメイラード反応を起こして褐色化している。
味噌の熟成に関与しているのは、すぐに思いつくものでコウジカビや乳酸菌あたりだろう。
これらの菌が関与することで、土壌の環境に似たような温度条件で速やかにメイラード反応が起こっている。
更に言うと、味噌の熟成に関わっている菌は元は土着菌だ。
話は変わって、土とメイラード反応の方を見てみると、土の形成にとって超重要な腐植の形成にはメイラード反応が関わっているという。
腐植といえば、ポリフェノールを含むフェノール性化合物が大事だけれども、
以前、黒大豆に含まれる黒い色素は血圧の上昇を抑制するという記事で、
momokaphotoさんによる写真ACからの写真
比較的ポリフェノールを豊富に含む黒大豆では味噌作りが難しいという話を聞いたことを紹介した。
味噌の熟成において、大豆ポリフェノールのプロアントシアニジンの反応性が邪魔をするということか?
仮に大豆ポリフェノールの反応性が味噌作りを難しくしているとするならば、ポリフェノールが少なければメイラード反応を促進し、ポリフェノールが多ければメイラード反応を抑制するという可能性が出てくるわけで、この微妙なさじ加減の中に土の形成の本質が隠れているように感じる。
ここで一つ
味噌と似たような製造過程の米ぬか嫌気ボカシ肥料作りで見た現象を紹介したいけれども、話が長くなるので次回にすることにしよう。
-続く-
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