栽培の本によると、
土壌中の石英の含有量は栽培方法を検討する上で重要な要因となっている。
石英は風化しにくく、保肥力にならなければ、養分の溶脱もない。
下流に向かえば向かうほど土壌中に占める割合が増えてくる。
石英は粘性の高い花崗岩や流紋岩に多く含まれている。
これらの内容を踏まえ、
流紋岩質のグリーンタフが分布している地域で採掘したベントナイトは土壌改良材として果して有効なのだろうか?
という疑問が生じてくるが、
上記のベントナイトをマジマジと見ても、
石英らしい粒子が見当たらないので、
海の水の作用(熱水変質作用)は石英に何らかの影響を与えているのではないか?
と当たりをつけた。
というところまでが竹野のグリーンタフを見ながら土の形成に思いを馳せるまでの話。
石英の理解が進めば、土の理解が進むかもしれない。
土壌学の講義で、粘土の話題になると挙がるものとして、
(By Pearson Scott Foresman - Archives of Pearson Scott Foresman, donated to the Wikimedia Foundation, パブリック・ドメイン, Link)
SiO四面体があるだろう。
SiO四面体とは中心にSi(珪素)が位置し、4つのO(酸素)が頂点に位置している。
粘土鉱物はこのSiO四面体が
上記のように層状に配置されている。
もう一つ触れるものが、
Ai八面体でAl(アルミニウム)を中心として、6つのO(酸素)が位置している。
これらが組み合わされる事によって、粘土鉱物としての特徴が現れると習うはずだ。
ここで触れたいのが、
石英はSiO2(二酸化ケイ素)で粘土鉱物にはSiO四面体がある。
粘土鉱物らしさというのは、火山のマグマが冷えて固まる時に、水の作用によって本来石英になるものが石英にはならなかった。
ということではないか?と疑問が生じた。
というわけで、石英に関することを調べてみることにした。
相川信之 石英の変形・再結晶と水 - 鉱物学雑誌 第22巻 第4号 155~160 1993年10月
今回の内容に直接関係あるかわからないが、石英の知の探索の最初として読んでみた。
この論文は石英に少量ながら含まれる水が、石英の変形(変成?)にどのように影響を与えているか?という内容で、
石英の流体包有物中に含まれる(凍結しない)水が、強度の低下であったり、回復や再結晶に重要ではあるはずと記載されている。
石英といえば、
花崗岩質の岩石の中に
こんな感じの空洞が出来て、その中に形成されているというイメージがある。
石英の結晶化の際に水が抜けているのだろう。
例えば、流紋岩質のマグマなり、熱い状態の火山砕屑物が海水に流れ込んだらどうだろう?
周辺から尽きることがない水に岩石の基が触れ続ける。
石英らしきものが形成される際に内部の水が除かれることはないはず。
これを踏まえて、上記の論文の内容をピックアップしてみると、
・水の存在下では珪酸塩鉱物や岩石の強度が急激に低下する
・石英中の酸素の拡散係数も水の存在下では無水時に比べて格段に大きくなることや、無水の状態では考えられないほどイオン交換や相変化などの化学反応が進行する
これらの現象は水が鉱物中に入り込むと、Si-O結合の切断を容易にすることによると考えられている。
流紋岩質であれば、石英(二酸化ケイ素)の基となるケイ酸が多い。
ケイ酸は水の作用によって、強い結合でなくなったり、イオン交換等の化学反応が起こりやすくなる。
これは粘土鉱物といって良いはず。
流紋岩質のグリーンタフから採掘された粘土鉱物が土壌改良で良い成果が出ている根拠に近づいた気がする。
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