もう一つの芳香族アミノ酸までの記事で芳香族アミノ酸のフェニルアラニンとチロシンを見てきた。


この内容を踏まえ、最初に合成されるポリフェノールであるコーヒー酸について見ていくことにしよう。


caffeic_acid


コーヒー酸の構造を眺めてみると、上の図の左側のベンゼン環(六角形の箇所)にヒドロキシ基(-OH)が2つ付いているので、ポリフェノールということになる。


このコーヒー酸がどのような経路を経て合成されるのか?を知る為に、西條了康 没食子酸の生合成経路 - 茶業研究報告 118:27〜31(2014)が参考になるので、詳しく見ていくと、


Phenylalanin_-_Phenylalanine


芳香族アミノ酸であるフェニルアラニンからアミノ基(-NH2)を外し、


Cinnamic_Acid

アズレン - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, リンクによるを改変


フェノール酸であるケイヒ酸にし、

※フェノール酸 : ベンゼン環とカルボキシ基(-COOH)を持つカルボン酸

フェノール酸 - Wikipedia


Coumaric_acid


ヒドロキシ基(-OH)を付与して、クマル酸にし、更にヒドロキシ基を付与することで、

※チロシン → クマル酸もあるらしい


caffeic_acid


コーヒー酸となる。


植物を学ぶ上で、今回登場したケイヒ酸、クマル酸とコーヒー酸は非常に重要になるので、構造は頭に叩き込んでおきたい。