Glutamate triggers long-distance, calcium-based plant defense signaling - Science 14 Sep 2018:Vol. 361, 1112-1115

という研究報告を見かけた。

うま味が痛みを伝えている!?-植物が傷つけられたことを感じ、全身へ伝える仕組みを解明-(大学院理工学研究科 豊田 正嗣准教授) - 埼玉大学

が冒頭の報告の日本語の解説となる。


要約すると、葉が幼虫に食害されたり、ハサミで一部を切ると傷ついたところから全身に向けてグルタミン酸を用いて傷ついた情報を伝達していた。グルタミン酸を受容した細胞では次の傷害に備えはじめた。

※備える≒ジャスモン酸の合成を活性化する

ヨトウ対策は植物ホルモンの視点から


この報告で一部気になる箇所があった。

更なる検証として、細胞の外からグルタミン酸を投与したところ、葉が損傷した時と同じ反応を示したということだ。

グルタミン酸の投与の方法の詳細が見当たらないので葉面散布のような形でグルタミン酸を投与したと予想して話を進める。

他の投与の方法を検討したけれども、根から吸収だと任意の箇所に集中的にグルタミン酸を配置することができないし、注射で投与だと物理的な刺激が発生して、その刺激によって反応してしまうからだ。

栽培中に作物が感じているストレスとは何だろう?


この内容を目にした時、ふと思い出したことがある。

作物になるので、今回の報告にあるシロイヌナズナではないが、おそらく作物も同じ機構を持っていると仮定して、

AMINOサンプロ - 京都農販


徹底的に低分子化させたアミノ酸肥料で葉面散布をしている方々が、皆さん同じように虫による食害被害が減ったように感じると言う。

今までは吸収したアミノ酸を材料として防御物質を作りやすくしていると予想していたが、今回の話を絡めるともっと根本の防御物質を作るというシグナルにアミノ酸肥料が関与していたのかなと。


もしこの話が正しいのであれば、

黒糖液肥 - 京都農販


AMINOサンプロよりもグルタミン酸の含有量が多い黒糖肥料を併用すると更に虫による食害に対して強くなるはず。

アミノ酸生成菌が関与した黒糖肥料


もし、今回の話が正しいのであれば、

尿素系や魚粉系の葉面散布剤では秀品率の向上は低分子のアミノ酸系の剤のような効果を期待できない

ということになる。

葉面散布と尿素


関連記事

殺菌剤を使用すると虫による食害被害が増加する