先日のニュースで、処分に困る廃菌床でカブトムシを育て、幼虫を魚の養殖の餌等にするという話題があった。
この内容は以前、廃菌床とカブトムシと魚の養殖で記載したが、ニュースで紹介されていた会社は記事で触れた所と別だった。
未使用資源で処分が難しい資材を用いて良い取り組みなのだろうけれど、処分に困っているのであれば、そのまま田に入れて欲しいという気持ちがある。
今回の内容は試したことがないので、個人的な戯言程度になるが、
稲作を真剣に見てきて、稲作の秀品率は田の有機物量(主にタンニン由来の化合物)を蓄積させる程高まり、水田由来のメタンの発生量も減るとされている。
物理性の向上 + レンゲ栽培 + 中干しなしの稲作の新たに生じた課題
木質系の有機物を豊富に含む廃菌床が最も効果を発揮する施肥タイミングは
写真:今年も観測していたレンゲ米栽培の田が無事に収穫を迎えたそうです2022
最も粘土鉱物が蓄積しているであろう収穫後にお礼肥えとして廃菌床を数トン程入れたら、次作の田植え頃に良い感じで土に馴染んでいるではないかと。
※稲作の栽培中の入水に混じって入ってくる粘土鉱物
水を張る稲作では鉄とリン酸が溶けて、田からなくなるというデメリットがあるが、
水田からメタン発生を気にして乾田にすることは良い手なのだろうか?
キノコ栽培で用いる米ぬかに鉄とリン酸が豊富に含まれ、廃菌床にも残っているので、稲作のデメリットを相殺出来る。
廃菌床は光合成産物を主としている為、田に数トン程入れて土に馴染んだら、それだけでも相当量の二酸化炭素の埋蔵に繋がり、良い事尽くしであるはずだ。
あと気になる事としては、廃菌床に含まれる微生物が田に何らかの影響を与えるのか?だけれども、私の知る限り、廃菌床に含まれる微生物の内、ほぼ全てが糸状菌の白色腐朽菌で、水田ではこれらの糸状菌は活発化できないはずだったので、土壌微生物叢の視点でもそんなに心配する必要はない。