最近、栽培のリン酸の話題が増えている。

きっかけは土壌分析でリン酸の数値が高い結果が返ってきたら次作は気を引き締めた方が良いの記事周辺の内容になっている。


リン酸は肥料学において主要な要素の位置付けになっているので、感と経験で栽培をしている方が収穫できない不安を和らげる為に過剰使用になる傾向がある。

一方、リン酸は世界的にみて有限の資源で使用制限のある国もあるらしく、日本の栽培は逆行している面もある。


冒頭の話はここまでにしておいて、最近あった話題を載せてみる。





水田をするとなぜリン酸が減るのか?

背景としては畑作の間に水田を挟むと、水田後にリン酸が急激に減少するという現象がある。


この話題について触れていくことにしよう。




この話題を紐解くに当たって、リン酸の理解を深めておく必要がある。



リン酸はH3PO4の構造の分子で、H2PO4-(またはHPO42-)にイオン化(水に溶ける)することによって肥効が現れる。

ただ、リン酸の根(こん)がPO43-の陰イオンで土壌の他の要素に吸着しやすく安定な形を取りやすいという特徴があり、溶解せずに肥効が効きにくい。


土壌中のリン酸の形状として、Ca型(カルシウム)、Fe型(鉄)、Al型(アルミニウム)と有機態型があり、どれも水に溶けにくい。

水に溶けにくいが故にリン酸は土壌中に過剰に蓄積しやすくなっている。


水田で注目すべきリン酸の型として、Fe型のFePO4がある。

PO4が3価の陰イオンであるため、鉄は酸化したFe3+になっていることに注目しておく。


水田は田の酸化還元電位の記事で触れた通り、酸素を遮断 + 炭水化物由来の電子の行き場がないという特徴から、

FePO4がFe3(PO4)2になり、鉄とリン酸の結合が弱くなり、水に溶けやすくなる。

※鉄Fe3+が電子を受け取り還元され、Fe2+になっている。

エッセンシャル土壌微生物学 作物生産のための基礎 - 講談社の101ページ


他にCa型のリン酸の一部は他の型のリン酸よりも比較的水に溶けやすかったはずだから、自然とリン酸の量が減る。

※Ca型リン酸はく溶性に分類される

クエン酸による食味の向上は安易に用いて良いものか?




この質問に返答している時に、安定しやすいリン酸を化学肥料の施肥ではどうやって意図通りに効かせることが出来るのだろう?と疑問が生じ、リン酸のことを全然理解していない自分がいることに気がついた。


というわけで、リン酸肥料の製造過程が記載してある本を引っ張り出し、リン酸肥料の内容を読み直すことにした。