黄色い色素ケルセチンの記事までで最近花の色に関与する色素に興味がある旨を記載しているが、色素を知るほど香りについても興味が湧くのが人の性。


なんか良い読み物はないかな?と検索してみたら、

植物が香り化合物を出す仕組み、吸う仕組み 単純拡散では説明がつかない - 化学と生物 Vol. 56, No. 2, 2018

という解説にたどり着いた。


内容について触れる前にタイトルを再度見てみると、香り化合物を出す仕組みというのはなんとなく想像できるけれども、吸う仕組みとはなんぞや?と疑問が生じるはず。

吸う仕組みというのは、防御の植物ホルモン、サリチル酸の記事で触れたサリチル酸メチルの話題をイメージすれば良い。


周辺に漂う香り分子を植物の葉が吸収していて、その香りを活用しているのかしていないのか?というような話。


上記の解説の読み物で気になった内容を先に触れると、


J.Jさんによる写真ACからの写真


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矮性トマト(マイクロトム)とハスモンヨトウ幼虫を用い、ハスモンヨトウ食害トマトから放出される香り化合物をエアポンプで無傷のトマトに導入し、食害トマトの香り化合物にさらされたトマトを用意した。曝露後のトマトをハスモンヨトウ幼虫に与えて1日後に幼虫の体重増加量を測定すると無傷のトマトから放散された香り化合物(ほとんど何もない)に曝露されたトマトを食べた幼虫に比べ、体重増加率が抑制されていることがわかった。つまり、ハスモンヨトウ食害を受けてトマトが放出した香り化合物が隣の、まだハスモンヨトウの被害を受けていないトマトの防衛レベルを高めた。

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植物が香り化合物を出す仕組み、吸う仕組み 単純拡散では説明がつかない - 化学と生物 Vol. 56, No. 2, 2018 101ページより抜粋


内容を読み進めると、


Calvero. - Selfmade with ChemDraw., パブリック・ドメイン, リンクによる

青葉アルコール - Wikipedia


ハスモンヨトウに食害された植物の葉から香り化合物であるヘキセノールを隣の株が葉から吸収して、グルコースとアラビノースを付加して二糖配糖体のヘキセニルビシアノシドに変換する。


この配糖体がハスモンヨトウに何らかの影響を与えている可能性があるそうだ。

文中で体内に取り込んだヘキセノールはグルコースを付加することで無毒化できるのに、更にアラビノースを付加することに何らかの意味があるのでは?と合わせて記載されていた。

解毒物質供給機能としての糖


ヘキセノールは青葉アルコールで、花の香りからは離れてしまったけれども、植物の放つ香りに注目すると、見えるものが増えてくるという予感がある。

ヘキセノールはトマトに限らず様々な草から発する香り化合物であるはずで、草生栽培と草刈りによって活用できるのでは?と予想している。

食害虫防除としての草生栽培の可能性を探る


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