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前回のミヤコグサの花弁の色はなぜ珍しいのだろう?の記事で、ミヤコグサの花弁が基本が黄色で、所々に赤い箇所があるのは珍しいということで色素を調べてみたら、フラボン類のケルセチンとカロテノイドであることを知った。

上記の内容を踏まえた上で、今回の話を始める。


ケルセチンという黄色の色素はハチミツの成分でよく見かけるので、更に検索をしてみたら、

寺尾純二 酸化ストレスを制御する食品機能成分の活性発現機構に関する総合研究 - 日本栄養・食糧学会誌 第68巻 第1号 3-11(2015)という研究報告にたどり着いた。


上記の研究報告で記載されているケルセチン摂取による人体への影響は3種紹介されている。

・マクロファージ活性化によって生じる炎症に対して抗炎症作用を示す

・脳に移行して脳内セロトニンの酸化を抑制して、抗うつ作用を示す

・寝たきり等の重力低下によって筋萎縮を抑える


1つ目の作用機構を見てみると、ケルセチンにグルコースが付与されたケルセチン配糖体を摂取するとグルコースが外れ、体内を移動する。

後にグルクロン酸抱合を受け、反応性が落ちたところでマクロファージに対して何らかの影響を与える。

解毒物質供給機能としての糖


クロロフィルを含めた各種色素は、植物にとって太陽から常に降り注ぐ紫外線の有害性に耐える為に発達した機能であると言われ、人体も摂取することでその恩恵を受けることができる。

遥か昔に植物が上陸にあたって獲得した過剰な受光対策


ウィルス関連の話題が続く昨今において、植物の色素は絶対に必要な知見となるような気がしてならない。


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